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 タイの発電所事業を巡る現地の公務員への贈賄疑惑で、大手発電機器メーカー「三菱日立パワーシステムズ」(MHPS、横浜市)の元取締役らが現地の部下から相談を受け、贈賄行為の実行を認めていたことが関係者の話でわかった。東京地検特捜部は不正競争防止法違反の罪で元取締役ら3人を在宅起訴するとともに、司法取引で合意した法人としての同社は不起訴処分にするとみられる。

 6月に制度が導入された後、適用は初めて。関係者によると、同社の元取締役らはタイの発電所建設事業で起きたトラブルを巡って部下から相談を受け、現地の公務員から要求された数千万円の賄賂を渡すことを認めた疑いがあるという。特捜部は現地の部下については刑事責任を問わない見通しという。

 同社は社内調査で不正を確認し、関与した社員らの情報を特捜部に提供。捜査に協力する見返りに、法人の立件は見送ってもらう内容で特捜部と合意したという。不正競争防止法に違反した場合、法人には最高3億円の罰金が科される。

 司法取引は、今年6月に始まり、他人の犯罪に関する情報を捜査機関に提供することで、自分の起訴を見送ってもらったり、裁判で求刑を軽くしてもらったりする制度。法人が処罰対象になる犯罪では、法人も司法取引することができる。