「藤井七段と愛知対決を」豊島新棋聖に出身地期待

滝沢隆史
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 愛知県一宮市出身の棋士、豊島将之(とよしままさゆき)八段(28)が今期の棋聖戦五番勝負で羽生善治竜王(47)を3勝2敗で破り、5度目の挑戦で念願の初タイトルを手にした。日本将棋連盟によると、東海3県出身の棋士がタイトルを獲得するのは、名古屋出身の故山田道美(みちよし)九段が1968年に棋聖を防衛して以来、半世紀ぶりという。

 豊島棋聖は5歳まで一宮市で暮らした。その後、大阪に転居して16歳でプロ入り。早くからタイトル候補と注目され、名人戦の挑戦者を争う順位戦A級に所属するトップ棋士の一人だ。

 いまも一宮市に豊島棋聖の祖父母が暮らしている。祖父の豊島勝美さん(85)は「なかなかタイトルをとれず、本人も苦労したと思う。待ちに待ったタイトルで本当にうれしい。今後は2冠、3冠をめざしてほしい」と喜ぶ。祖母の幸子さん(80)は、名古屋市熱田神宮に必勝祈願して吉報を待った。

 プロ入り直後から応援する地元の将棋指導員神田和徳さん(64)は、豊島棋聖がタイトルに挑戦するたびに将棋仲間と対局で着る和服を仕立てて贈ってきた。普段は闘志を内に秘めるタイプというが、今回は「タイトルがほしい」と口にして気合が入っていたという。神田さんは「(愛知県瀬戸市在住の)藤井聡太七段とタイトル戦での愛知対決を見てみたい」と話す。

 豊島棋聖は今期の王位戦でも菅井竜也王位(26)に挑戦しており、2冠の期待がかかる。(滝沢隆史)