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 野田聖子総務相の事務所が今年1月、無登録での仮想通貨交換業の疑いで金融庁から調査を受けていた企画会社の関係者を同席させたうえで、金融庁の担当者を呼び、庁としてのスタンスなどを説明させていたことがわかった。現役閣僚側による行政調査への圧力とも取られかねない行為で、朝日新聞は同事務所に複数回にわたって説明を求めたが、回答はなかった。

 関係者によると、この企画会社(東京都)は昨年10月から独自の仮想通貨を販売。有名芸能人も関わるなどして話題を呼んでいた。これに対し、金融庁は今年1月12日、仮想通貨交換業を無登録で行う資金決済法違反の疑いがあると同社に通告し、書面での回答を求めた。「期限までに回答がない場合、捜査当局への情報提供や必要な措置をとる」とも伝えた。

 朝日新聞が情報公開請求をして開示された文書などによると、同社に通告が出された数日後の1月中旬、野田氏の事務所が金融庁に説明を求めた。「相談者」として企画会社の関係者が同席することも伝えたという。開示文書では、説明を求めた人物は黒塗りだったが、関係者などによると野田氏の秘書だという。

 要請を受けて金融庁の担当者は同月30日に議員会館を訪問し、野田氏の秘書と企画会社の関係者に対し、仮想通貨を発行して資金を集める際の規制についての庁のスタンスなどを説明したとされる。

 金融庁は同月30日の説明後も調査を継続し、2月下旬に、企画会社に対して同法に抵触するため仮想通貨の販売を行わないよう行政指導した。

 金融庁幹部は、今回の野田氏の事務所からの説明要求について「調査に影響はなかったと思うが、大臣の関係者から調査対象会社の同席で説明を求められれば、役人としては圧力だと感じるだろう」と話す。

 行政調査に対する国会議員側からの照会をめぐっては、山本幸三衆院議員(自民)が2012年に知人が絡むインサイダー事件で証券取引等監視委員会の調査について国会質問したことや、鳩山二郎衆院議員(自民)の秘書が17年に自身が関わる会社の関連先の税務調査について国税庁に説明を求めたことなどが問題になっている。(沢伸也)