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 大相撲名古屋場所11日目の18日、新十両の千代の海(25)=本名浜町明太郎、高知県黒潮町出身、九重部屋=が特別な思いを胸に土俵に上がった。この日、西日本豪雨の犠牲になった高校相撲部の同級生の葬儀があると聞いていた。「暗い雰囲気になると思うけど、『明太郎、勝ったな』って、少しでも明るい話題になればと思って」。天国の友に白星を捧げた。

 亡くなったのは同県土佐清水市の会社員大黒浩平さん(26)。8日午前、車で勤務先に向かう途中に土砂崩れに巻き込まれ、海まで流されたとみられる。

 別の中学だったが、一緒に稽古していた千代の海と大黒さんは「一緒にインターハイへ行こう」と高知・宿毛(すくも)高校相撲部へ。千代の海は「浩平はやんちゃで、よく2人で監督に怒られた」と懐かしむ。最後に会ったのは5、6年前だが、5月の夏場所後に千代の海が十両昇進を伝えるLINEを送ったところ、「おめでとう」と返信があったという。

 千代の海は18日、「県立宿毛高等学校」の校名と校章が縫い込まれた化粧まわしで土俵入りした。当初は母校・日本体育大学の校名が入った化粧まわしを使う予定だったが、この日は亡き友への弔意を込めた。「この化粧まわしで勝つことが、きょうの僕にできることだった」

 新十両で7勝目(4敗)。支度部屋で短く「(次も)勝ちます」と言った。場所が終わったら、大黒さんの墓前に勝ち越しを報告するつもりだ。(金子智彦)