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高倉健さんが作ったトレーニングルーム。殺陣のプロ集団「東映剣会」のメンバーらが今も空き時間に鍛えている=京都市右京区、高野良輔撮影
三船敏郎、勝新太郎、萬屋錦之介。京都・太秦(うずまさ)には銀幕のスターがいた。今や時代劇にかつての勢いはないが、東映京都撮影所に映画の職人が残っている。その情熱を感じているのが木村拓哉(45)だ。
「覚悟して行けよ」
京都の撮影所の難しさを先輩に聞かされていた。「江戸でどんだけ有名か知らんが、どんなやつが来(く)んねんっていう世界だと思っていた」と振り返る。
その不安は外れた。2014年のドラマ「宮本武蔵」が初めての大がかりな撮影だった。
「お待ちしてました」
撮影所のスタッフが総出で迎えてくれた。その裏には京都出身の俳優の口添えがあった。07年のドラマ「華麗なる一族」で共演した北大路欣也。撮影所への事前の連絡は、ひと言。「うちの息子が行くんで、よろしく」
木村は「欣也さんのユーモアのセンスと、エールをミックスした言葉」と受け止めている。
撮影所のスタッフの演技を見る目は厳しく、温かい。
殺陣(たて)のシーンを撮り終えたときのこと。汗の染みたTシャツ姿の美術さんが黙ったまま、右の拳の親指を立てた。グッドを意味するサムズアップだ。
「映画を作るのって、ものすごいエネルギーがいる。そのバトンをつないできた職人さんのサムズアップは誇りになった」
自分の楽屋は4階建ての撮影所…
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