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直木賞・島本理生さんの会見一問一答

 ――第一声を。

 正直、ホッとしました。芥川賞候補4回と直木賞候補2回。18年、折に触れて待っていた。

 ――18年来の悲願。受賞が決まって、ご友人、ご家族からはどんな言葉をかけられましたか?

 夫や作家の友達、学生時代からの友人なんかも「おめでとう」とメッセージをくれまして。うれしいです。

 ――小学生のお子さんがいらっしゃる。忙しい子育ての合間を縫って、どう執筆をしてきた?

 夫がごはんを作ってくれたり、私が留守の間は子供の面倒を見てくれたり。夫のおかげです。

 ――旦那さんの好きな料理はなんですか?

 カレーです。

 ――執筆活動にあたり、お子さんがいてよかった点は?

 子どもが産まれてから視野が広がったと思います。これまでは自分一人のために書いていた。家族を支えるというと言いすぎかもしれませんが、意識し始めました。

 ――今回、法廷のシーンを含めて初めて挑戦することが多かった。その点について一言。あと、昔は事件のシーンを書くのは難しかったと思いますが、18年で自信がつきましたか?

 そうですね。書き続ける中で少しずつ手応えを感じた。あとは、担当編集者の方が取材から最終的な細かい詰めまで、朝から地方の裁判所まで一緒に通うなど、丁寧に見てくれた。その中で成長できたと思っています。

 ――芥川賞の候補4回、直木賞の候補2回。今回、直木賞を射止めたことによって、どんな風にしていきますか?

 受賞したばかりで、まだ見えていない部分もありますが、自分が書いてきたテーマをより突き詰めて、深みを増していければと思う。

 ――芥川賞は純文学、直木賞はエンターテインメント小説という違いはあるが、そういう差は考えないでお書きになる?

 そうですね。私の小説が好きで手に取ってくださる読者と向き合いながら、書きたいものを書くように、これから向かっていこうかなと思います。

 ――デビューの頃のことを思い出されているのかなと思うのですが、当時の自分にどう声をかけますか? あと、デビューからの18年を振り返って感想を。

 デビューの頃を思い出すよりも7年前、最初に直木賞候補になった時のことを思い出します。「アンダスタンド・メイビー」という作品ですが、受賞できなかった。今だから言えるけど、3年くらい夢に出てきた。もう1回、思春期の少女に対する性暴力・虐待をテーマに、広く読んでもらえる小説を書いて、読んでもらいたいという気持ちが強かったので、この小説で受賞できてよかったと思います。

 ――18年を振り返って。

 まだまだ作家として、書きたいテーマも膨らんでいるので、これからかなと思います。

 ――思春期の少女に対する性暴力をテーマにもう一度、とのことですが、今回の主人公は大人の臨床心理士で、キャリアを積んでいる女性。その視点から、女子大学生を見ている。こういう風に変わった視点を取った意図は?

 3年前に芥川賞候補になった作品「夏の裁断」で、読んだ人からの賛否が分かれた。傷ついた主人公の視点で書くと、物語の大事な点が理解しづらいと痛感した。なので、第三者からの視点で書けばどうだろう、というところからこの小説はスタートしました。

 ――初期に書かれた「ナラタージュ」で、恋愛小説を書く作家さんだというイメージが。しかし今回は、恋愛関係ではない複雑な人間関係を書いていた。

 自分が書きたいものと恋愛を組み合わせると、どうもあやうい感じになると思えたので、今回は恋愛は切り離そうと思いました。

 ――先ほど旦那さんについてのエピソードがありましたが、受賞のことを夫には伝えた?

 はい。電話で。

 ――何て?

 「おめでとう」と言った後、子供に「ママ、一等賞になったよ」って(笑)。

 ――そのほかは?

 「飲み歩いてきてもいいからね」と言われました(笑)。

 ――自身の中で、芥川賞でなく…

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