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 高校野球のスタンドで、部員らが声を張り上げて歌う応援曲。いまの定番はどんな曲なのか。第100回全国高校野球選手権記念新潟大会の16強に聞いてみた。

 4回戦のあった18日、新潟県内4球場の応援席で、全16チームの部員やマネジャーら高校生に1人ずつアンケートした。よく使う曲名を最大で10曲あげてもらった。

 最も多かったのは、1982年のヒット曲「男の勲章」。「♪つっぱることが男の」で始まる定番曲で、理由としては「野球の応援と言えばこれという感じ」などがあがった。

 定番では他に、クイーンの「ウィー・ウィル・ロック・ユー」やピンク・レディーの「サウスポー」も多かった。一方で、XJAPANの「紅」や山本リンダの「狙いうち」は1~2校にとどまった。同じく定番の「エル・クンバンチェロ」はあがらなかった。

 最近の流行を象徴するのは、シンガー・ソングライターの成底(なりそこ)ゆう子が2011年にカバーした「ダイナミック琉球」。冒頭をソロで歌うのが特徴で、昨年ごろから動画投稿サイトで話題を集めたという。流行(はや)りの人気ロックバンド「WANIMA」の「いいから」もあがった。

 アニメのオープニングテーマは定番の「海のトリトン」や「宇宙戦艦ヤマト」があがり、「クレヨンしんちゃん」も2校あった。

 歌手別では湘南乃風が目立った。「ショー・タイム」や「純恋歌」など4曲があがった。プロ野球の応援で使われる曲も多く、特に千葉ロッテマリーンズの関連が目立った。

 選んだ理由は、「選手からのリクエスト」など。応援にまわる部員が好きな曲で盛り上げようと、選手に聞き取っている様子がうかがえる。

 18日、炎天下で激しく踊りながら声援を送っていた十日町の小林拓君(3年)は「応援されて一人じゃないという気分になり、頑張ることができると思う」。最前列で声を張り上げていた加茂暁星の渡辺侑人君(3年)は「全力でプレーできるよう、こっちも全力で歌っている」と話した。

学校ごとに歌があった時代も

 1960年代に選手として新潟大会に出場し、県内で約30年間監督経験のある関川弘夫さん(70)によると、昔は学校ごとに「○○高校第一応援歌」といったオリジナルの応援歌があったという。学ラン姿の応援団が中心になり、太鼓一つでリズムを取っていた。

 今回のアンケートであがったのは、新潟の「応援歌B」だけだった。

 ポップスやロックが応援歌の中心となった理由の一つとして、関川さんはブラスバンドの普及をあげる。「本格的な伴奏のおかげで、バリエーションが増えたのでは」。60年代当時はブラスバンドの伴奏はまだ珍しく、「吹奏楽部が応援に来てくれるとうれしかった」と振り返る。

 関川さんは「選手が喜ぶ曲、みんなが知っている曲で応援するのもいいけれど、学校の特色が薄れてしまうのは寂しい」と話す。「応援歌には選手を鼓舞するだけでなく、在校生や観客が一体になる効果もある。チームの個性も大事にして欲しい」

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