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 名古屋城天守木造化を巡り、名古屋市が19日、新天守に新たな階段を設ける方針を明らかにした。火災時などの避難経路を確保するためという。市は「史実に忠実な復元のため」としてエレベーター不設置を決めており、今後整合性が問われる可能性がある。

 新天守は5階建てで、市は史実に従って地下1階から南北2ルートの階段を設ける。南側の階段は本来3階までだが、4階まで増やすことにし、この日開かれた新天守の構造に関する有識者会議「天守閣部会」で素案を示した。

 新天守を巡っては、かつて施工業者も4階までの避難階段を提案したが、市は「史実に反する」として見送った経緯がある。だが今月、新天守の防災評価を依頼した一般財団法人「日本建築センター」(東京)から「3階から4階への階段を付けないと最上階から避難できない可能性がある」と指摘されたという。

 エレベーター設置を求める障害者団体は「スプリンクラーや避難路はつけるのに、エレベーターは『史実に忠実ではない』というのはおかしい」などと市を批判している。市はエレベーターに代わるバリアフリー策として移動補助ロボットなどの開発を掲げており、24日にこれらの技術を障害者団体に説明する会が開かれる予定だ。(関謙次)