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 豪雨が大きな被害を残した広島県の被災地。ぎらりと光る太陽の下、復旧を手伝うボランティアの高校生の姿が目立つ。災害以来、ほぼ休校のまま夏休みに突入した高校も少なくなく、SNSで誘い合い、何度も足を運ぶ生徒もいる。「家にいるより、何か手助けしたい」という若者たちを、被災者も歓迎している。

 豪雨災害後、広島市や呉市では20日まで12日連続、最高気温が30度以上の日が続き、県内は21日も35度以上の猛暑日となる予報が出ている。

 19日午前10時半、呉市天応南町(てんのうみなみまち)。土砂崩れで空き家の庭に流れ込んだ泥は、炎天下でカチカチに乾き、ひび割れが広がっていた。

 高校1年の松浦安奈さん(16)と臼井結美さん(15)が両手で押さえた土囊(どのう)に、別のボランティアがシャベルで泥を詰め込んだ。

 県立広島高校(東広島市)バドミントン部の松浦さんと、県立海田高校(海田町)陸上部の臼井さんは、呉市の中学校で同級生だった。豪雨の後、学校も部活も休みが続いており、ボランティアに参加するのはすでに3回目だ。

 「自分が暮らしてきた街がやばいことになってる。元通りになってほしい」。被害を伝えるテレビのニュースを見て、松浦さんは思った。インスタグラムやツイッターでは「これからボランティア」と友人たちの投稿が飛び交っていた。「部活もしてないけん、家にいても仕方ない」と駆けつけた。

 18日には、同じ天応地区で土砂を取り除くボランティアに、私立清水ケ丘高校(呉市)のバレー部員16人が参加した。部活の練習着は泥だらけだ。3回目の参加という3年の西田侑愛さん(18)は「自分たちはほんとに無力だなあと思うけど、『助かったー』とか、感謝されたのがうれしい。1回来て、人数が足りていないと感じた。これからも参加したい」。

 豪雨の影響で、県によると18日時点で県立高校98校(定時制含む)のうち11校が前倒しで夏休み入りすることを決めた。中でも被害が大きかった呉市では、高校生のボランティア参加が顕著だ。センターが立ち上がった10日からの3日間で天応地区に多い日で800人以上のボランティアが集まったが、約8割が高校生だったという。

 天応南町の自治会長、島地邦夫さん(71)は高校生のボランティア参加について「ほんま一生懸命やってくれる。ありがたいです」と感謝していた。

若くても無理は禁物

 災害対策基本法は、国や自治体にボランティアとの連携に努めるよう定めている。災害が起きると、地元の社会福祉協議会がボランティアの受け入れ窓口となるセンターを開設するのが一般的で、広島県内では19日までに、18市町の21カ所にセンターが開設された。

 若者世代の参加の条件は地域ごとに異なる。呉市のセンターは年齢制限は設けていないが、中学生以下は保護者の同伴が必要。作業現場にくぎなどの危険物が落ちている場合もあり、ケガの恐れがあるからだ。

 同センターは「『若いから』と無理しないで」と呼びかける。14~16日の3連休には1日に4、5人のボランティアが熱中症になったが、そのほとんどが20代以下だった。「体力を過信したり、不調を訴えるのが格好悪いと思ってしまったりするのかもしれない」。軽装も目立つが、感染症を防ぐため、長袖、長ズボンで肌を露出させない服装の徹底も呼びかけている。

 センターの担当者は「泥や土砂を前にして力不足を感じることもあると思うが、『若い人が来てくれると元気になる』という被災者も多い。足を運んでもらえるだけでも、精神的に助けられる」と話す。(永野真奈)