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 井山裕太名人・七冠(29)への挑戦権を争う第43期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は19日、首位の張栩九段(38)が黄翊祖八段(31)に勝って7戦全勝とし、8月の最終局を待たず名人挑戦を決めた。張の名人戦挑戦手合出場は、名人として井山の挑戦を受け、井山に初の七大タイトル獲得を許した2009年以来。立場を替え、因縁の再戦が実現する。

 七番勝負は8月28日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開幕する。

 東京・市ケ谷の日本棋院で打たれた対局は、午後9時15分に黄が投了した。リーグ戦は残り1局だが全勝の張に続く1敗者はおらず、張のリーグ優勝=名人挑戦が確定した。

 13年の王座戦以来、七大タイトル戦から遠ざかっていた張は、今期名人戦リーグの開幕ダッシュに成功。5月の第5戦、張を1敗で追う2位の芝野虎丸七段(18)との直接対決では相手の大石を召し捕って快勝し、そのまま独走状態で優勝テープを切った。

 張は台湾・台北市出身。1990年、10歳で来日して林海峰名誉天元門下に入り、94年プロ入り。09年に七大タイトル戦史上初の五冠を達成。後に井山に破られるまで、タイトル同時獲得の最多記録だった。しかし同年、前年に続き名人戦に挑戦してきた当時20歳の井山に名人位を奪われ、覇者交代の転機となった。井山は16年に七冠独占を成し遂げた。

 井山と張の七大タイトル戦の挑戦手合は過去8回あり、井山の勝ちが6回。張は10期ぶり通算5期目の名人獲得をめざす。昨年名人に返り咲き、2度目の七冠独占を遂げた井山は、名人連覇、通算7期目をめざす。(大出公二)

〈張栩九段の話〉 開幕7連勝するとは誰も思わなかったでしょう。どの碁も難しかったが運がよかった。集中力を切らさずにがんばることができた。本当に久しぶりのタイトル戦。ずっと出たいと思っていた。井山さんは圧倒的な存在。七番勝負を盛り上げるためには勝つしかない。