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 西日本を中心とする豪雨で、土砂災害による広島県の死者68人が発見された場所の7割弱は、県が「警戒区域」に指定するなどしていた場所だったことがわかった。県の担当者は「指定が避難行動につながっていなかったという反省がある」と話す。

 県のまとめ(17日午後4時時点)では、68人が発見されたのは32カ所。このうち、21カ所は土砂災害防止法に基づき、県が「土砂災害警戒区域」か「土砂災害特別警戒区域」に指定しているか、近く指定予定であることを公表している場所だった。

 警戒区域は住民の生命に危害が生じる恐れがあるとし、自治体などが避難体制を整える必要がある。特別警戒区域はより危険が大きく、都道府県は建築物の構造規制や移転支援をするように求められている。

 2014年の広島土砂災害では、警戒区域に指定されていない場所での被害が大半だった。このため、県は指定の作業を急いでいた。今回の32カ所のうち、3割は指定に向けた調査中の場所だったという。ただ、住民の命を守るには、警戒区域に指定するだけでなく、避難などの対策が重要になってくる。

 静岡大の牛山素行教授(災害情報学)は「予想もつかないところではなく、起こりうるところで土砂災害の犠牲者が出ている」と指摘。「自分の身の回りでどんな被害が生じうるかを知り、能動的に情報を取得して活用しないといけない。砂防ダムなどのハード対策も当然必要だし、行政がどこで災害の危険性があるのかなどを周知していくことも非常に重要になる」と話す。(水戸部六美、合田禄)