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【アピタル+】患者を生きる・潜水病(減圧症)

 今回の連載では、昨年3月に潜水後に減圧症(潜水病)を発症したダイバー迫田(さこだ)和久さん(45)の取材をしました。発症当日のスキューバダイビングの計画について、減圧症治療に詳しい静岡済生会総合病院の石山純三院長(62)に検証してもらいました。

 ――ダイバーの男性が静岡県沼津市の大瀬崎で潜水したのは2017年3月4日。記録によれば水温は14度。1度目の潜水時間は41分で、最大水深は17・9メートル、2時間休んだ後の2度目は45分、15・8メートルでした。

 2回目の潜水の最大深度は1回目より浅くしているし、休息もとっている。決して、無理な潜水計画ではありません。ただ、減圧症を発症する目安となる「Q値」は基準を超えており、減圧症になってもおかしくはない状態だったといえます。

 ――Q値とは何ですか。

 窒素の体内蓄積度を示す指標です。潜水時間(分)の平方根と、最大水深(メートル)を掛け合わせたもので、この値が、だいたい「100以下」であれば減圧症にはならないと考えられます。潜水が2回だと、1回目の値の半分を、2回目の値と足し合わせて算出します。今回の場合について計算してみると、1回目が約115、2回目が106で、計算値は約163になり、100を超えています。150を超えても発症する人はごく一部ですが、減圧症が発症しうる潜水かどうかを判断する情報の一つにはなります。

 ――3月で寒かったので、男性は潜水前の水分補給を控えていました。前日から頭痛もあったそうです。

 水分補給が不十分だと血のめぐりが悪くなり、体内にたまった窒素が気泡になったときに減圧症を発症しやすく、症状も悪化しやすくなる傾向があると考えられています。頭痛など体調不良のときにも減圧症になりやすい。無理なダイビングをしないこと。1日に2度潜る場合は海上での休息時間を十分にとり、2度目に潜る深さが1度目より深くなるような潜水をしないことです。体調不良を感じたら潜水するのは避けましょう。

 

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<アピタル:患者を生きる・スポーツ>

http://www.asahi.com/apital/special/ikiru/(聞き手・小堀龍之)