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支援通信

 被災によるストレスなどで血圧があがる「災害高血圧」が心配されている。脳卒中や心筋梗塞(こうそく)など、命に関わる病気の引き金となる可能性があるからだ。

 自治医科大の苅尾七臣(かずおみ)教授(循環器内科)によると、「災害高血圧」は被災直後から起こり、生活環境や生活習慣が安定するまで続く。被災のストレスや、普段していた活動ができないこと、食生活の変化による塩分摂取の増加などが原因だ。特に、家族の死亡や家屋の全壊などで大きなストレスがかかった人▽75歳以上の人▽高血圧や糖尿病、心不全などの循環器疾患の既往がある人――は高リスクとされる。

 苅尾教授は「予防には、20分以上の歩行などで体を意識的に動かすことや、6時間以上の睡眠が大事。水やお茶で水分を」と話す。

 災害高血圧の予防として、通常は塩分を控えるよう勧めるというが、今回の災害では判断が難しいという。豪雨の被災地では猛暑が続き、熱中症の恐れもあり、「災害高血圧予防のためには塩分を控える必要があるが、熱中症を避けるためには塩分をとる、と正反対の対策が必要になる」からだ。

 今の自分にとってどちらが大切なのかを考えるためには、避難所などで意識的に血圧測定をすることが大切だという。

 上(収縮期)の血圧が140を超えることが続くなら、災害高血圧の可能性がある。一方で、上の血圧が100を切り、心拍数が通常よりも20以上多いようなら、脱水や熱中症のサインとなる。血圧は測るタイミングも重要だという。白衣を着た医師や看護師などに測定されると、高めになってしまう人もいる。このため、自分自身でも測りたい。

 苅尾教授は「重篤な循環器疾患の元となる災害高血圧も、熱中症も、生命にかかわる。血圧の測定を、その予防にいかしてほしい。ただ、自己判断はせず、少しでも異変を感じたらすぐに医療機関に相談を」と呼びかけている。(松尾由紀)