拡大する写真・図版 会見後、ポーズをとる井岡一翔さん=2018年7月20日午前11時37分、東京・渋谷、嶋田達也撮影

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 プロボクシングの元世界3階級王者の井岡一翔(29)=SANKYO=が20日、現役復帰を表明した。昨年末に引退会見を開いて半年余りで、なぜスピード復帰に傾いたのか。井岡は「視聴率が取れる王者」といわれてきた。そこにはテレビ局の事情が垣間見える。

 井岡は2011年以降、6年連続で大みそかに試合をしてきた。中継はTBS系。人気王者の井岡はその看板として、テレビ東京系の主役だった内山高志氏とともに、大みそかのボクシング中継を定着させた。

 「テレビ局側は、昨年の大みそかも井岡の試合を見込んでいた」と関係者。だが、4月の防衛戦後に結婚し、生活の拠点は大阪から東京に。継続的に練習できず、試合ができる状態ではなくなった。並の選手なら時間を置いて再起すればいいが、「大みそかの顔」には、そこで何らかの答えが求められた。それが早すぎる引退表明で、会見はテレビで生中継された。会見では復帰について「ゼロではない」と話し、決断をせかされた印象も受けた。

 9月8日の復帰戦は米国で世界ランカーとの対戦を予定する。1年半のブランクがあり、1階級上げる影響もどう出るか。クリアできれば、再び12月31日の主役にという青写真が見え隠れする。(伊藤雅哉