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 日本人2人目のNBA(米プロバスケットボール協会)プレーヤー誕生なるか――。香川県出身の渡辺雄太(23)が20日、NBAのグリズリーズと「ツーウェー契約」を結んだ。下部リーグ(Gリーグ)に所属しながら最大45日間NBAに登録できる契約で、田臥勇太(栃木)以来となる夢舞台へ、一歩を踏み出した。

 渡辺は5月まで、全米大学体育協会(NCAA)1部のジョージ・ワシントン大に在籍。身長203センチながら、速さやプレーの柔軟さがあることが持ち味だ。守備面の評価も高く、同大が所属するアトランティック10カンファレンスで、最優秀守備選手に選ばれたこともある。昨季はキャプテンを務め、米国でも知る人ぞ知るプレーヤーだった。

 卒業後の6月にあったNBAドラフトでは指名されなかったが、今月上旬には米ネバダ州のラスベガスで開催されていた「NBAへの登竜門」と言われるサマーリーグにネッツのメンバーとして参戦。全5試合で1試合平均9・4得点、4・2リバウンド、1・6ブロックと活躍した。3試合目のティンバーウルブズ戦は特に好調で、3点シュート4本を含むチーム最多タイの14得点を記録した。

 後半2試合では、2006年の田臥勇太以来となる、日本人2人目のサマーリーグ先発も経験。ネッツは公式サイトで、「サマーリーグで魅力を感じた選手3人」の一人に渡辺を挙げ、「相手エースを抑え、大学で最優秀守備選手に選ばれた実力を発揮した。3点シュートと合わせ、次のレベルへの可能性も示した」と評価していた。

 そんな渡辺の行く末に、米国メディアも注目している。サマーリーグ期間中にはワシントン・ポスト(電子版)や地元紙に渡辺の記事が掲載された。試合後に取材を受ける姿もよく見られた。スポーツメーカーの「ナイキ」はすでに渡辺と7年契約を結んでおり、今後プロモーション活動も加速しそうだ。

 渡辺は来季、グリズリーズの下部リーグのチームで経験を積みながら、NBA公式戦にも最長45日間出場することができる。1試合もNBAの舞台に立つことなく解雇される可能性もあるが、グリズリーズが提示した契約は2年。渡辺の伸びしろに期待し、育てながら使う意思があるということだ。

 渡辺自身も自らの立場を理解している。ツイッターでは「ここからがまた本当の勝負です」と発信。気を引き締めつつ、憧れのNBAへの道をひた走る。(松本麻美)