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 夏の頂点に挑む2校が出そろった。栃木大会は21日、清原球場で準決勝があり、作新学院が宇都宮工を、白鷗大足利が青藍泰斗を破り決勝に勝ち進んだ。大会8連覇を目指す作新学院は10年連続の決勝進出。白鷗大足利は優勝した08年以来、10年ぶりの決勝の舞台となる。白鷗大足利のエースと作新学院の強力打線の対決が見どころだ。決勝は22日午前10時から、同球場で行われる。

名バッテリー、あと一歩 宇工・小林陽心投手・大房隼捕手

 宇都宮工の2年生投手、小林陽心(はると)が、決勝進出をかけた作新学院との戦いを1人で投げ抜いた。最終回に力尽きたが、強打の作新を最後まで苦しめた。

 この1年間で著しい成長を見せてきた小林。昨秋から中継ぎ、救援で起用され、春の県大会では先発としても活躍。そんな彼の成長に寄り添ってきたのが先輩捕手の大房隼(3年)だった。

 2人の息はぴったりだ。そのコンビネーションを見せつけたのが2回戦の国学院栃木戦。選抜で16強入りした国栃に臆することなく挑み、小林は大房の要求する通り、低めの変化球で相手打線を翻弄(ほんろう)。2―1で競り勝った。

 だから作新との試合前も、大房は小林に自信をもって伝えた。「低めの球を意識して。全部受け止めるから」。強力な作新打線でも、小林の低めの制球なら抑えられると思った。

 大房の期待通り、小林の制球はさえ渡る。初回に失点するが、それ以降は無失点で抑え込み、同点で最終回を迎えた。作新は裏の攻撃。1点でも許してしまうと試合が終わる場面。小林と大房はもちろん、頼みの綱の低めの変化球を選んだ。だが高めに浮き、その一球が命取りになった。

 はじき返された球と一緒に甲子園出場の夢がレフトスタンドに吸い込まれていった。サヨナラ本塁打。その瞬間、小林はひざから崩れ落ちてマウンドにうずくまった。

 試合後、他の選手たちがベンチに戻る中で、小林と大房はクールダウンのキャッチボールを始めた。次の試合の選手たちがグラウンドに現れる中で、2人は顔をくしゃくしゃにしながらボールを投げ続けた。キャッチボールを終えると、小林は「ありがとう。そして、ごめんなさい」と言った。来年こそ、甲子園に行ってみせる。小林は大房に誓った。(宮田真衣)

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