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 小泉純一郎元首相(76)がこのほど朝日新聞のインタビューに応じ、安倍政権のエネルギー政策について、「安倍(晋三)首相では『原発ゼロ』はもう無理だ。やればできるのに見過ごした」と批判した。さらに来夏の参院選では「原発ゼロ」が争点になるよう、野党共闘への期待感を表明した。自民党の首相経験者としては異例の主張だ。

 小泉氏は自らの立場を明らかにした2013年の記者会見以降、安倍政権に対して「原発ゼロ」への政策転換を繰り返し求めてきた。このことについてインタビューでは「安倍首相に会ったときに『経産省にだまされるなよ』と何回も言ったが、苦笑するだけだった。5年経っても気付かない。もったいない」などと、安倍氏への失望感を口にした。

 小泉氏自身は17年4月、原発ゼロをめざして創設された全国連合組織「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(略称・原自連)の顧問に就き、各地の講演で「原発ゼロは可能だ」などと訴えている。今月15日には長年にわたって政敵関係にあった自由党の小沢一郎代表が主催する政治塾で講演するなど、野党側への働きかけも強めている。

 原自連の動きに呼応し、立憲民主党、自由党など野党4党は3月、「原発ゼロ基本法案」を国会に提出したものの、自民党などの反対で審議されなかった。この点に絡み、小泉氏は来夏の参院選で「野党は1人区には協力して統一候補を出す。そして『原発ゼロ』を争点にすると勝つ可能性がある」と期待を寄せた。

 そのうえで、小泉氏は「自民党が政権を担当してきたのは、多数意見を尊重してきたから」だとして、自民党の「原発ゼロ」への方針転換にも引き続き期待する姿勢を示した。

 安倍政権が7月上旬に閣議決定した第5次エネルギー基本計画で、30年度の電源構成に占める原発の比率を「20~22%」としたことについて、小泉氏は「そのためには原発を30基ほど動かさないといけない。できもしない。処分場も見つかっていないのに再稼働すれば核のごみがまた増える。憤慨している」と厳しく批判した。

 一方で小泉氏は「原発ゼロ」の実現可能性について「私が『ゼロ』と言ったとき、ただちにゼロなんて無理だと言われたが、日本は13年9月から15年9月の2年間は、まったくゼロだった」と指摘。太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーはドイツやスペインが30%を超えるとして、「そういう現実を直視しないといけない」と述べた。(小森敦司、関根慎一)