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 東京の劇団「青年劇場」の舞台劇「あの夏の絵」が21日、広島県神石高原町で上演された。被爆者の体験を絵にする広島市立基町高校の活動がモデルで、同町の住民有志らが作家井伏鱒二の生誕120周年を記念して企画した。

 住民有志らは昨年12月、「『黒い雨』プロジェクト実行委員会」を結成。井伏の平和への思いを後世に伝えたいと、「あの夏の絵」の誘致を進めていた。

 劇は、平和記念資料館から依頼を受けた高校の美術部員3人が「原爆の絵」に取り組む筋立て。この日は、劇団の俳優6人が部員や被爆者に扮し、部員が被爆の証言に驚き、戸惑いながらも絵を完成させていく姿を熱演。平和の尊さを訴えた。

 会場には、炎から逃れる被爆者らを描いた基町高校の生徒の作品12点も並べられた。実行委員会の会長で、「黒い雨」の主人公のモデル・故重松静馬さんの娘婿の文宏さん(82)は「これまで原爆について文字や言葉で訴えてきたが、今回は演劇という立体的な形で伝えられてよかった」と話した。(天野剛志)