相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人の入所者が殺害された事件から、26日で2年になるのを前に、今月上旬、園職員や入所者の家族らが座談会で語り合った。園からは、入倉かおる園長(61)のほか、山田智昭(ともあき)・支援部長(48)と守民夫・総務部長(47)が参加。家族会「みどり会」からは大月和真会長(68)と杉山昌明副会長(78)が加わった。
主な一問一答は次の通り(敬称略)。
◇
――事件当日の様子について、可能な範囲で教えていただけますか。
入倉 外部から見ると不思議かもしれないが、職員で事件について語ることはあまりない。あえて触れずに過ごしてきた。
杉山 電話を受けて知った。すぐに自宅を飛び出して園に向かった。警察や消防の車両が道を塞いでいて、検問で「副会長です」と名乗りながら施設に入れた。報道の車もぎっしりだった。次々に来る家族からの問い合わせに応対した。どれほど悲しく、つらかったことか。救急車が到着しないと搬送先もわからないので、ある程度時間が経ってからしか、十分な内容は伝えられなかった。
山田 夜勤者から「大変なことが起きている」と一報があった。すぐさま園に向かった。現場確認を重ね、全寮を回り、そのうち入所者が起床しだしたので、その対応もあった。何をどうすればいいのか、混乱のなか、とにかくけが人の救助が優先だということになり、職員も協力した。また、けがをしていない人を落ち着かせないといけなかったので、目の前の状況を踏まえ、自分で判断するしかなかった。見たものが現実なのかがわからず、とにかくがむしゃらだった。
入倉 職員の中には、真夏なのに園に駆けつける時に厚手のシャツを着ている人もいた。自分が襲われるんじゃないかと考えたみたいだ。
守 公舎に逃げ込んだ職員か…
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