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 日本大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題は、日大が設置した第三者委員会が月内にも最終報告書をまとめる。すでに中間報告書でタックルは内田正人前監督らの指示だったと認定。部は新監督が内定し、再建に向けて動き出しつつある。この問題は選手の自主性を奪う上意下達、一般社会との感覚のずれ、過剰な勝利至上主義などスポーツ界に根強く残る体質を明るみに出している。

 日大アメフト部は昨年、内田正人前監督が1年ぶりに復帰すると、約20人が一斉に退部した。練習に厳しさが増しただけでなく、部の体質にも疑問が持たれたからだ。退部したうちの一人はこう振り返る。

 「『おまえの代わりはどこにでもいる』という態度のコーチたちの好き嫌いで、試合に出られるかが決まる。だから、コーチの機嫌を損ねないよう、意見を言うことはなかった」

 コーチたちも、大学ナンバー2の人事担当常務理事を兼ねていた前監督の顔色をうかがっていた。ある選手が自ら申し出てコーチ同意の上で分析担当スタッフになったことについて、前監督が疑問を呈すると、コーチたちはその選手の目の前で「はい、そうですね」と言うだけだった。元部員は、その様子を見て退部を決めたという。

 関学大の選手にタックルをした日大の守備選手は、前監督について「意見を言える関係ではなかった」と明かしている。「監督→コーチ→選手」の強い上意下達の中、選手たちは自主性と判断力を欠き、服従するだけになっていた。

 近代以降のスポーツ界の体質に詳しい慶応大の片山杜秀教授(政治思想史)は、軍隊的な色彩を指摘する。「国民皆兵の戦前、学校で軍隊的なものを教育しておこうと、多くの体育教師や運動部の指導者が命令を絶対とし、暴力と威圧で言うことを聞かせる軍隊式を導入した。戦後も気質は運動部で文化として伝承された。日大アメフト部はその継承度が高かった」

 守備選手を練習から外し、日本代表の辞退を求めるなど、精神的に追い詰めるやり方も有無を言わせない軍隊式に通じる。

 日大アメフト部は氷山の一角で…

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