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 西日本を襲った豪雨で、4人が犠牲になった愛媛県大洲市にある県立長浜高校で21日、30人の水族館部員が育てている魚を一般に公開する毎月恒例の「長高水族館」が開かれた。断水により水の確保に苦戦しつつも、こんな時だからこそ途切れさせてはならないと、通算235回目の開催にこぎつけた。

 午前11時、校舎内で水族館がオープンした。約100個の水槽で公開されるのはハマチやカサゴなどの海水魚、地元の肱(ひじ)川にすむコイやカワムツといった淡水魚、クラゲなど150種類ほど、約2千匹。子どもたちは「この魚なに?」と歓声をあげていた。

 長高水族館は1999年に始まり、月に1度の開催を欠かしたことがない。だが今回の豪雨により、通学に使う生徒が多いJR予讃線は不通に。11日から臨時休校となり、そのまま夏休みとなった。公開中止も検討したが、部長の伊井洸晶(ひろあき)さん(3年)は「毎月来てくれる人もいる。中止にはしたくなかった」。

 最大の問題は18日まで続いた断水。淡水魚はもちろん、くみ上げた海水で飼う海水魚も、塩分濃度の調整に真水が必要だ。断水しなかった地区に住む部員は水を詰めたペットボトルを大量に持参。顧問の重松洋教諭(50)も、車で山にわき水をくみに通った。

 自宅が浸水した水族館部員の水口朋香(ほのか)さん(1年)は、「長高水族館は小さいころからよく来た思い出の場所。途切れずに開催できてうれしい」と話した。(大川洋輔)