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 鹿児島大会は22日、準々決勝3試合があり、4強が出そろった。鹿屋農は昨夏準優勝した鹿児島を再試合で破り、初の4強入り。シード同士がぶつかった鹿屋中央―樟南戦は、鹿屋中央が堅守で接戦をものにした。鹿児島南は加治木の猛追をかわした。

屈指の左腕、初回の1球痛恨 樟南・松本晴君

 140キロを超える速球に、鋭く曲がるスライダー。切れ味抜群の持ち球を武器に、樟南の投手松本晴君(3年)がこの試合で鹿屋中央から奪った三振は14個。五回以降は一人の走者も出さず、ほぼ完璧な投球だった。一回の「1球」を除いては――。

 大阪市出身。中学1年の時に甲子園で見た樟南の投手にあこがれ、1年先に入学した兄の連さん(19)に続いて同校へ。

 昨夏は捕手の連さんとバッテリーを組んで勝ち上がったが、準決勝で敗退。試合終盤で球の切れを失ってしまう「自分のスタミナ不足で負けた」。そう反省し、冬場の走り込みや筋肉トレーニングのメニューを大幅に増やして鍛え、「県内ナンバー1左腕」と呼ばれる好投手に成長した。

 今大会は4回戦までの3試合で計43奪三振、1失点。評判通りの力をみせ、この日の鹿屋中央戦も一回の先頭打者から連続三振を奪う上々の立ち上がりだった。

 だが、警戒しすぎて3番打者に四球を与えると、「先制点は許すわけにはいかない」との思いが力みになった。次打者の池田智雄君(2年)に投じた2球目のカーブは高めに浮いた。

 右翼手を越える二塁打を打たれ、一塁走者が一気に生還して1失点。これが決勝点になった。

 仲間の反撃を信じながら投げ続けた球は、最後まで勢いを失わなかった。九回は自らの犠打で2死二、三塁の好機をつくり、ベンチ前でキャッチボールを続けながら逆転を願ったが、かなわなかった。うなだれる仲間のそばで、マウンドをじっと見つめていた。

 「悔いはないと言えばウソになるけど、全力を出し切りました」。試合後、赤い目でそう話した後、つぶやくように続けた。

 「甲子園って、簡単じゃないなあ」(外尾誠)

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