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 西日本を豪雨が襲った夜、崩れた家の2階で救助を待ちながら、眼下の土砂に埋まった男性を励まし続けた夫妻がいる。二人が見守る中、男性は息を引き取った。救うすべはなかったのか。夫妻は自問する。

 広島市安芸区矢野東7丁目の自営業、井原武文さん(76)と方美(まさみ)さん(75)は、山際の斜面を切り開いて造成された「梅河(うめごう)団地」の一角にある2階建て住宅に住んでいた。

 7月6日午後7時半ごろ、広島市は1時間に40ミリを超える大雨に見舞われていた。夕食を食べ終え、テレビでニュースを見ていた方美さんが、「避難しなくて大丈夫?」と声をかけると、武文さんは「大丈夫だ」と即答した。

 団地の山側には、土石流を起きにくくするための治山ダムが2月に完成したばかりだった。ダムが被害を食い止めてくれる。武文さんは信じていた。

 ところがその後、照明がついたり消えたりする状態が3回ほど続いた。方美さんが「これはおかしい」と思ったとき、地鳴りのような音が響いた。二人で2階に上がり、武文さんが窓を開けると、「真っ黒い巨大な何か」が音を立てて猛スピードで流れてきた。

 二人が2階の寝室の奥に逃げ込んだ途端、家が激しく揺れ、バリバリバリと引きちぎられるような音とともに、寝室と1階のリビング以外が削り取られた。

 「痛い、痛い…

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