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 6月18日朝、大阪府北部を襲った大きな地震。途方に暮れる被災者のもとに予期せぬ手紙が届いた。「今度は私たちがお力になれれば。できる限りのお手伝いをしたい」。差出人は長野県栄村役場。被災地同士の助け合いの心に、当事者だけでなく、多くの人が勇気づけられている。

 大阪府茨木市のライブハウス「ジャックライオン」に手紙が届いたのは6月23日。代表の真柴祥一さん(54)は7年前、長野県北部地震で震度6強の揺れに襲われた栄村に義援金を送っていた。名前しか知らなかった小さな村の被災が、東日本大震災の翌日だったために注目されずにいたことを知り、「何かしたい」と思ったからだ。

 大阪北部地震は最大震度6弱だった。店では売り物の楽器が倒れ、ガスが止まった。いつも店にやってくる音楽好きの高校生たちの心の動揺も心配だった。そんなタイミングで届いた心温まる便り。真柴さんは「グッときたし、元気が出た」。手紙のことをツイッターでつぶやくと、次々とリツイート(転載)され、共感の輪が全国に広がった。

 栄村は今回、村に義援金を寄せてくれた個人や団体のうち、災害救助法が適用された大阪府内13市町の128人に村長名でお見舞状を送った。2年前の熊本地震で現地に職員を派遣したことはあったが、こうした手紙を送るのは初めて。「忘れられた被災地」の担当者は言う。「7年前は遠く離れたところから支えてもらった。今度はお返しをする番です」(津田六平)