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 旧優生保護法により不妊手術を強制されたのは違憲だなどとして、仙台地裁で争われている国家賠償訴訟で、国が同法が違憲だったかどうかについての見解を示さない方針を固めたことをうけて、原告側からは反発の声があがった。新里宏二弁護団長は、「事実だとすれば、国が後ろ向きで全く反省していないことの表れだ」と批判した。

 中島基至裁判長は6月にあった口頭弁論で、裁判所として憲法判断する意向を示したうえで、同法が違憲だったかどうか、国に7月末までに認否を答えるよう求めていた。

 新里弁護団長は「民事訴訟法を踏まえれば、国は認否を明らかにする義務があるはずだ。違憲性を認めなければ、謝罪も補償もできない。20年以上放置しておいて、自ら解決しようという姿勢が見えず、怒りが湧いてくる」と話した。

 原告の宮城県の60代女性の義姉は「想定はしていたが、がっかりした。私たちはただ謝罪の言葉がほしいだけなのに。国がそういう態度では、社会の優生思想を助長してしまうのではないか」とため息交じりに語った。

 一方、救済・支援法案に取り組む与党ワーキングチーム(WT)のメンバーである自民党議員は、「『認否を言えない』というのも一つの答えだ」と語り、政府方針に理解を示した。「国がどう裁判所に答えようが、こちらは粛々と救済策をまとめていく」と述べた。

 また同様に救済・支援策を作成している超党派議連の野党議員は、「人権侵害の法律であり、個人的には国に違憲と示して欲しいが、裁判がなければ合憲と言っているはずで、合憲とも言わないことに意味がある」と語った。その上で「(政府の方針は)救済・支援法案の提出を踏まえてのことだろう。良い法律がつくれるよう厚生労働省には全面的に協力してほしい」と話す。

 次回口頭弁論は9月12日に開かれる。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(山本逸生、浜田知宏)