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 トランプ米大統領の長女で大統領補佐官のイバンカ氏は、自身の名を冠したファッションブランド「イバンカ・トランプ」を廃業すると決めた。「当面はワシントンでの仕事に専念する」と説明している。このブランドに対しては反トランプ派の一部が不買運動を起こしていたほか、複数の大手百貨店が取り扱いをやめるなどの動きが出ていた。

 ブランドの運営会社が24日、廃業を明らかにした。イバンカ氏の公務との「利益相反」を避けるための制約がきつく、「米国内外で成長する力がそがれた」などと説明している。昨年1月のトランプ政権の発足を受け、イバンカ氏は直接のブランド経営からは離れたものの、信託を通して持ち分を維持。米メディアによると昨年500万ドル(約5・5億円)以上の収入をそこから得ていた。

 イバンカ氏は「ワシントンで17カ月を過ごし、このビジネスにいつ戻るのか、戻るのかどうかすら分からない。(廃業の)決断を今下すことが唯一公正な結末をもたらす」との声明を出した。

 このブランドをめぐっては昨年2月、販売中止を決めた米百貨店大手ノードストロームに対し、トランプ氏が「私の娘のイバンカがあまりに不当に扱われた」と非難。続いてコンウェイ大統領顧問も「みんな、今日買いに行って」とホワイトハウスから宣伝するなど、トランプ政権の公私混同ぶりを象徴する存在になっていた。

 トランプ政権の発足前、イバンカ氏は、アパレル企業のサンエー・インターナショナル(東京)と組んで日本に進出する計画も進めていた。しかし、サンエーの親会社TSIホールディングスの筆頭株主が政府系の日本政策投資銀行だったことで公私混同疑惑が浮上し、進出を断念していた。(ニューヨーク=江渕崇)