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 ウナギの稚魚である天然のシラスウナギの不漁が続く中、国立研究開発法人「水産研究・教育機構」は7月18日、人工養殖した稚魚を養殖業者に配布した。完全養殖ウナギの商業化を目指す取り組みだ。

 完全養殖は、稚魚(シラスウナギ)をウナギに育てて産卵させ、人工孵化(ふか)させた幼生(レプトケファルス)から稚魚に育てる。同機構の前身の水産総合研究センターが2010年、このサイクルに世界で初めて成功した。現在、鹿児島県にある同機構の増養殖研究所・ウナギ種苗量産研究センターで人工孵化させており、孵化率が向上し、年間1500匹程度が生まれるようになった。

 完全養殖は、幼生から稚魚に育てるのが難しく、この間の生存率を高めることが最大の課題。商業化を図るにはさらに、天然の稚魚を養殖池で育てる通常の養殖と同様、人工的に育てた稚魚を養殖池で成魚に育てられるかも課題となる。

 ただ、同センターには養殖池がないため、民間養殖業者2社に計300匹を配布することにしたという。様々な環境の商業用の養殖池で出荷サイズまで飼育し、通常は1年半の養殖期間が人工孵化ではどのくらいになるか、新たな問題はないか、などを検証する。

 同センターの山野恵祐センター長(54)は「商業用養殖池で飼育することで、エサや飼育環境など、どんな課題があるかを探りたい」と話している。(浅野真)