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 第100回全国高校野球選手権三重大会で、春夏通じて初の甲子園出場を決めた三重県立白山(はくさん)高校(津市)には、部員と苦楽をともにした女性部長の存在があった。三重大会の閉会式終了後、部長の川本牧子さん(40)は感慨深げに「まさか甲子園のベンチに入ることができるなんて夢みたいです」と笑顔を見せた。

 川本さんは父親が少年野球チームの監督だった影響で、小学生時代は白球を追いかけていた。進学した高校でも野球に関わりたいとマネジャーを希望したが、募集はなかった。

 以来、野球とは遠ざかっていたが、教師になっても野球好きを公言していた。その縁で、白山に赴任する前の2校でも野球部顧問を務めた。

 白山では東拓司監督(40)の就任と同じ2013年に部長になった。当時、三重大会の登録選手が11人だったが、東監督が一から環境を整備し、有力選手が白山を志願し始めた。川本部長は「東先生の情熱と勢いはすごく、引き寄せる力を持っていた」。

 川本さんも3人の子どもを育てながら、部の経理を担当したり、コールドスプレーなど備品の買い出しをしたりして、一丸となってチーム強化に取り組んだ。

 辻宏樹主将ら現3年生が入学した時、東監督と「いつかは甲子園に行きましょう」と会話した。選手たちからは「自分たちが先生を甲子園に連れていきます」と言われた。夢が瞬く間に現実となった。

 「粘り強い試合ができて、今までのあの子たちから成長した。甲子園のベンチに入ることができるので、部員や監督に感謝しかありません」と喜びを語った。(甲斐江里子、広部憲太郎