いとこ銀仁朗の言葉胸に 27個目のアウトつかんだ主将

興津洋樹
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(26日、高校野球京都大会決勝 龍谷大平安11―0立命館宇治)

 4点リードの四回裏1死一、三塁、龍谷大平安の好機。打席に主将で4番の松田憲之朗君が入った。

 「外野席まで運ぼう」。フルスイングで追い込まれた。6球目。今度はコンパクトに振った。追い込まれてからはバットを短く持ってコンパクトに。春の選抜に出た乙訓との対戦に備え、今大会はチームでそう意識してきた。打球は左前へ。走者2人がかえった。手をたたき、「よっしゃー」と叫んだ。

 松田君には尊敬するいとこがいる。平安(現龍谷大平安)のOBで、埼玉西武ライオンズ炭谷銀仁朗選手(31)だ。小学生のとき、平安の主将だった炭谷選手の映像を見て、龍谷大平安に憧れた。

 龍谷大平安は2016年春以来、甲子園から遠ざかっている。今年の正月に炭谷選手に会うと、「甲子園にまだ出たことないよな。今年は第100回大会やし、絶対行かなあかんな」と言われた。

 春の府大会は準々決勝で敗れた。打線に勢いがない。ベンチから「つなげ」という言葉がとび始めた。松田君も主将として、「つながりが大事やぞ」と口にするようになった。これまで「自分が打つ」という気持ちが強かったが、「チームのために打ちたい」と思い直した。

 5月からチームのテーマは「つながり」になった。松田君は「打線としても仲間としてもつながりが出てきて、甲子園に向かって一丸になった」と話す。

 九回表、あとアウト一つで甲子園出場が決まる。高くあがった打球は遊撃手の松田君のもとへ。捕球して試合が終わった。喜びが込み上げ、しばらくして涙が止まらなくなった。興津洋樹