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 (26日、高校野球京都大会決勝 龍谷大平安11―0立命館宇治)

 龍谷大平安の原田監督は決勝の朝、1通のメールを開いた。

 「衣笠が京都に帰ってきました!応援してくれてます」

 OBの故・衣笠祥雄さんに近い関係者からのメールだった。プロ野球・広島で「鉄人」と呼ばれ愛された衣笠さん。原田監督は一段と気合が入った。試合前、ベンチで選手に読んで聞かせた。

 3年間遠ざかった夏の甲子園の舞台。春夏通算100勝がかかる100回の記念への出場は、衣笠さんにとっても念願だった。原田監督は昨年11月、衣笠さんから直接「がんばれよ」と励まされた。その時に撮った2ショット写真を、今大会は毎試合、かばんに入れてベンチに持ち込んだ。

 一方、自身の思いとは裏腹に、思うように結果はついてこなかった。「最後の仕事かな」。そこまで思い詰めて臨んだ夏。「怖い監督」をいったん休み、選手を励まし、褒めて乗せるスタイルに変えた。歌も歌ったし、冗談も言った。あらゆる手を尽くし、選手たちの能力を引き出した。この日も、ベンチの中で熱く燃え、アンダーシャツは3枚着替えた。

 試合後、京都大会への思いを聞かれて言った。「甲子園の決勝より、もっと重たかった」。やっとの思いで得た甲子園100勝への挑戦権。「まずはそれだけを目標に。その先のことは考えない」=わかさ(高岡佐也子