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西日本豪雨1カ月

 《泉秀文さん(64)=愛媛県宇和島市吉田町白浦》 土砂崩れに巻き込まれ、家の近くで土砂の中から見つかった。市役所に勤め、総務課長や議会事務局長を歴任。2014年に定年退職した後、16年に市の監査委員に就いた。

各地に大きな爪痕を残した西日本豪雨では15府県で225人が死亡、11人がなお行方不明となっている。最初に大雨特別警報が出て6日で1カ月。犠牲になった人たちのありし日の姿を、遺族や知人らへの取材をもとにたどった。

 家の近くの砂浜にウミガメが再び戻ってくることを願い、空き缶やポリ袋が流れつく砂浜を掃除していた。近所では「おだやかで立派な人」と評判だった。

 幼なじみの渡辺雅直さん(64)は「子どものころから、みんなを引っ張る優等生だった」と振り返る。近くに住む浜田真作さん(67)は「ひとの面倒をよくみていた。本当に惜しい人を亡くした」としのんだ。

気さくで多趣味

 《清家カヨ子さん(71)=愛媛県宇和島市吉田町法花津》 土砂に巻き込まれ、家の中で見つかった。直前に家の前で消防団員と話す姿が目撃されていた。近くの女性は「家の前の側溝から水があふれ、何とかしてもらえんやろかと相談していたようだ」と話す。

 気さくで友達が多く、多趣味だった。四国八十八カ所霊場をすべて巡り、俳句サークルに通っていた。4月ごろから、近くの畑でキュウリやサツマイモを育て始めたという。

 清家さんのいとこで、近くに住む清家三重子さん(95)は「野菜ができたら松山で暮らす息子に贈ってあげたらと、話していたのに」と語った。

「職人気質で仕事熱心」

 《岡本真市さん(72)=愛媛県宇和島市吉田町奥浦》 土砂に埋もれた状態で見つかった。近所の女性によると、おだやかな人柄で、庭でハナミズキやユリを育てていた。仕事は自動車板金業。近くに住む中谷善金(よしかね)さん(44)は「職人気質で仕事熱心だった」と話した。

「やさしそうな方でした」

 《酒井英次さん(63)=愛媛県宇和島市吉田町沖村》 土砂崩れに巻き込まれ、自宅付近のがれきの中で見つかった。近所の男性は「毎日、白い犬を連れて散歩していた。やさしそうな方でした」と話した。

自治会長を経験、慕われていたた

 《石田豊隆さん(66)=松山市下伊台町》 家に戻ると言って避難所を出たが、3日後に瀬戸内海で遺体が見つかった。家のそばの川に落ちたとみられる。近所の男性によると、測量会社を営み、地区の自治会長を務めたこともある。地域の人から慕われていたという。