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 比叡山の基礎を築いた平安時代の天台僧、慈覚大師円仁(えんにん、794~864)が、9世紀に最後の遣唐使船で中国大陸に渡った際、上陸地点近くで滞在した「国清寺(こくせいじ)」とみられる遺構が、中国沿海部の江蘇省南通市でみつかった。円仁が帰国後に著した旅行記「入唐求法巡礼行記(にっとうぐほうじゅんれいこうき)」の記録を裏づける唐の時代の遺構の発見は初めて。専門家は古代の日中交流史の実像を探る貴重な遺跡と注目する。

 「巡礼行記」は、マルコ・ポーロの「東方見聞録」、玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)の「大唐西域記(だいとうさいいきき)」と並ぶ世界三大東方旅行記の一つとされる。円仁は巡礼行記に、命からがらの状態で上陸後、「国清寺」に宿泊したと書き残したが、唐側の記録では確認できず、長年、日中の研究者が所在地を探してきた。

 遺跡の調査を主導した南京大学歴史学院の賀雲翺(ホーユンアオ)教授(考古学)が7月26日、東京・神田の明治大学での講演会で明らかにした。

 賀さんによれば、上海から北に…

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