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 第100回全国高校野球選手権記念東兵庫大会は28日、ほっともっとフィールド神戸で決勝戦があり、県内最多の優勝回数を誇る報徳学園が市尼崎を破って8年ぶり15回目の優勝に輝いた。西兵庫代表の明石商とともに出場する全国選手権は8月5日に西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。

逆境から栄冠つかむ

 背番号1を背負う者同士の意地が序盤からぶつかった。

 報徳学園の渡辺友哉(3年)と市尼崎の竹中哲平(3年)。四回までに渡辺は2度、竹中は3度、得点圏に走者を置いたが、切り抜けた。

 均衡を破ったのは報徳学園の9番打者大崎秀真(2年)。五回、外角高めの球をとらえて二塁打。その後、敵失の間に先制の本塁を踏んだ。

 本来は二塁手だが、正三塁手のけがで大会直前、急きょ三塁手に。戸惑いながらも猛練習を積み、短期間で三塁手の動きを身につけた。責任感が芽生え、顔つきが変わった、と大角健二監督はいう。

 続く1番・小園海斗(3年)。昨春の選抜大会、4試合で打率5割と実力を見せつけた好打者は、内角攻めに遭った。が、よく観察し、四球を選んで出塁。生還して2点目となった。最初の打席で避けきれず死球を受けたが、その影響を感じさせなかった。

 渡辺は投球を続けるうち、直球を投げる時の動作が見破られている気がした。相手は分析力に定評がある市尼崎。変化球主体に切り替えた。

 復活の投球だった。ひじを痛め、夏前からは下半身にも不安を抱えるようになった。チームも調子を落とした。昨年秋の県大会で8強入りを逃し、今年春には初戦で滝川二に惜敗。低迷の原因を「相手にのまれている」と主将の神頭勇介(3年)はみていた。

 八回、安打を浴びた直後。嫌な空気の場面で市尼崎の1番、東野竜也(3年)の打順がきた。中学時代のチームメイトで、「粘りがあり、手ごわい相手」。球は高めに入ったが、中飛に打ち取った。

 試合後の握手。東野から「頑張ってくれ」と声をかけられた。涙で「おう」としか返せなかった。「あとで、ありがとうといいたい」

 県内最多15回目の優勝。だが、それを支えたのは逆境からはい上がる挑戦者の心だった。(直井政夫)

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