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 8月5日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する第100回全国高校野球選手権記念大会。史上最多56代表が集う節目の大会は、日程も17日間(休養日含む)と長く、多くの来場が見込まれる。記録的な猛暑となった今夏、球場での観戦ではどんな熱中症対策が必要なのか。専門家に聞いた。

 球場を訪れる際、まず大事なのは体調管理。当日朝だけでなく、応援のための移動やホテル泊など慣れない環境で体調を崩すこともある。体調が優れない場合は、しっかり自覚を持ち、観戦を取りやめたり、休憩を多く取ったりして細心の注意を払う必要がある。睡眠を取り、朝食も忘れずに食べて、水分や栄養を十分に取ることも大事だ。

 熱中症を防ぐために、大切なのは水分補給だ。野球観戦の場合、おおむね1イニングごと、15分ごとが目安。2、3口ずつでいいので、こまめに水分を補給することが肝心だ。

 飲む物は、汗とともに体から出てしまう塩分が入ったものが最適。体調が万全ならスポーツドリンクで十分だが、優れない場合は経口補水液も効果的だ。利尿作用があるカフェインやアルコールは好ましくない。特にアルコールは、体の異変に気付きにくくなるので要注意だ。

 日陰が少ないアルプス席や外野席では、日差し対策も欠かせない。帽子や薄手の長袖などで、直射日光から肌を守るのが効果的。忘れがちな首の後ろ側も、タオルで守ると良い。タオルは日差しで熱くなった座席に敷くのにも役立つ。

 熱中症のサインである頭痛や吐き気、めまいのほか、足にこむら返りのような症状を感じたら、まず風通しの良い日陰に移動する。氷や保冷剤などを首やわきの下、足の付け根など太い血管が通っている部分に当てて、体を冷やすのが効果的で、予防にもなる。

 甲子園でこの夏、選手たちの体のサポートに当たる「アスリートケア」理事の森岡俊行さん(42)は「応援に熱中するあまり、体調の変化を見逃してしまわないよう、注意しながら楽しく観戦してほしい」と呼びかけている。(高岡佐也子

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 各地方大会では、それぞれが熱中症防止の対策に努めた。

熱中症対策の例

●埼玉 開会式では先に入場した選手たちが座って他チームの入場を待った。2015年から、給水時間を設けるため、3イニングごとにグラウンド整備を行っている。

●千葉 グラウンド整備と散水を三回と六回終了時の2回に増やした。延長戦の場合は、九回、十二回終了時にも。整備の間、水分補給や休憩を呼びかけるアナウンスを実施。

●愛知 試合開始時間を早める措置。ベンチへの扇風機の持ち込み可。準決勝、決勝の岡崎市民球場の外野席を開放し、日よけのテントを設置。

●岐阜 三、五、七回に休憩時間を設け、選手の給水、グラウンドへ水まき。ベンチ内への扇風機持ち込み、うちわ使用も可能にした。応援席は簡易テント設営も可に。

●滋賀 皇子山球場では霧状の水を噴射できるミスト装置を球場内5カ所に設置。エアコンのある選手控室とベンチの間に大型扇風機を置き、冷気を試合中の選手に届ける工夫。

●京都 21、22日の試合開始時刻を予定より1時間繰り上げ。23日の準々決勝は第3試合を午後4時、第4試合を同6時半開始としたが、第4試合が始まったのは午後7時ごろ。試合は延長十一回までもつれ、終了は午後10時37分だった。準決勝は午前8時半に、決勝は午後1時開始予定を午前9時開始にした。

●岡山 エイコン球場では、テントの持ち込みを呼びかけた。球場外に試合前の選手や応援団の待機場所としてマイクロバス2台を配備。

●島根 松江市営球場脇に各校のマイクロバスを駐車できるようにし、スタンドで応援する生徒の退避場所を作った。県立浜山球場はスタンド上部にテントを設置し、近隣にある大社高の施設を試合前の選手の待機場所や臨時の救護室として活用。

●徳島 七回終了時に3分間の給水タイム。

●高知 五回終了時のグラウンド整備の際に散水。選手や審判員の休息時間を増やす狙い。あめに似た塩分補給タブレットを入場券売り場で来場者へ配布。場内アナウンスで熱中症注意を繰り返し呼びかけ。

●大分 別大興産球場のベンチ内に霧状の水も出る大型扇風機を設置。常時、看護師が待機。

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