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 100回目の夏を制するのはどこか。史上最多の56代表校が集う記念大会は5日に開幕する。全国3781チーム(連合チームの内訳を数えた校数は3920校)が参加した地方大会を取材した担当記者が各校の戦力を分析し、新調された深紅の大優勝旗の行方を探った。組み合わせ抽選会は2日午後4時から。

 記者D 史上初、2度目の春夏連覇を目指す大阪桐蔭が充実しているね。

 記者A 4番藤原やエース柿木の状態が選抜から格段に上がったのは好材料。北大阪の準決勝では履正社を九回2死から逆転するなど、土壇場での底力も見せた。「優勝候補の筆頭」と見られる中で戦う難しさを、どうはね返すかに注目したい。

 記者F 選抜準優勝の智弁和歌山も本物の力をつけてきた。昨秋から公式戦で負けたのは大阪桐蔭だけ。打線の爆発力は健在だ。

 記者C 投手力にやや不安を残すけど、何点差をつけられても「逆転できる」という雰囲気が球場全体を覆う不思議な魅力がある。

 D 花咲徳栄も夏連覇を狙って仕上げてきたね。

 記者B 選手一人ひとりがやるべきことを分かっている。打線は派手さはないけど、厳しい球はファウルで逃げて甘い球を打つ、という意識と技術が浸透している。昨夏は4番一塁手だった野村が、今年はエースも務める。

 記者E ほかに大阪桐蔭を倒せるとしたらどこ?

 A 選手個々の能力が際立つのは横浜かな。

 F 直球のキレと落ちる変化球が良い板川、本格派左腕及川に加え、最速140キロ超の右腕万波ら、投手の駒が豊富。打線も長南ら長打を期待できる打者が多く、得点力は高い。

 B ただ、春の関東大会ではコールド負けをするなど、好不調の波が激しい印象もある。劣勢の試合でいかに粘れるかが鍵になる。

 D 浦和学院の投手陣も良いね。長身右腕の渡辺、安定感のある右腕河北、2年生左腕永島とタイプが違う。打線も高校日本代表1次候補の蛭間を筆頭に、振りの鋭い打者が並ぶ。

 C 先発に左打者が7、8人か。相手投手が左腕の時にどう対応するかだね。

 F 京都大会を圧倒的な力で勝ち上がった龍谷大平安はどうなの?

 A エース小寺の状態がいい。直球の質は高く、スライダーもキレがあって空振りが取れる。打線も足を生かしたつながりの良さが光る。春夏通算100勝へ向け、チームの雰囲気も良い。

 E 関東と近畿のレベルが高いんだね。この6校が優勝争いの軸となるのかな。

優勝候補を追う星稜・広陵・報徳学園など10校の実力も高い

 F 優勝候補を追いかけるグループの実力も高い。星稜は決勝で南保、竹谷で計7本塁打。投手陣は大会5試合で無失点だね。

 B 強打に加え、エース奥川は決勝で145キロを計測。試合のなかで制球を修正し、勝てる投手の印象。

 C 昨夏準優勝の広陵は中井監督が「総合力は去年より上」と言う。森悠は右のやや横手から140キロ後半の球を投げ、打線はチーム打率4割超で、高田、吉岡の1、2番が好調だ。

 A 報徳学園も攻守でレベルが高い。日本代表1次候補の遊撃手・小園が注目されがちだが、長尾、糸井も好打者。エース渡辺友は直球にキレがある左腕。

 D 今年の木更津総合は打つ。1番から7番まで打率は4割台。犠打をしっかり絡めて、集中打もある。投手は4番を兼ねる野尻が制球力もあり安定している。根本は球威がある。

 E 選抜8強の創成館は智弁和歌山戦のサヨナラ負けが糧になっている。左腕川原を軸に投手陣が束になって安定した試合運びをする。打線は1番で主将の峯がキーマンだね。

 B 慶応は北神奈川大会で東海大相模、桐光学園を破ってきた。桐光との決勝は2死から得点を重ねた。1番宮尾の出来が鍵になる。生井、渡部の投手陣は粘り強い投球を見せる。

 E 興南も安定した戦いぶりだ。藤木、宮城の両投手は昨年に甲子園を経験している。藤木は打たせて取るタイプ。宮城はスリークオーターで内角を突く投球が光る。

 A 日本代表1次候補の西がいる創志学園が気になる。西は本格派で準決勝は完封。決勝は力の入れどころを見極め、2失点で完投した。金山は5試合連続本塁打と打線にも軸がいる。

 B 常葉大菊川は打線が力強い。1番の奈良間は打率8割台。エース漢人は130キロ台でもキレの良いボールを投げる。野球を楽しむチームカラーで勢いに乗れば怖い存在だ。

 D 福島大会12連覇の聖光学院の精神的強さはすごい。140キロ中盤を投げる衛藤が大黒柱。主将矢吹ら中軸は腰のすわったいいスイングをするよ。

土浦日大・愛工大名電など上位をうかがうチームも

 F 他にも上位をうかがうチームはありそうだね。

 B 勢いがあるのは土浦日大。強打の明秀日立、常総学院に打ち勝ってきた。

 D バントが武器だった愛工大名電も、打力重視にシフトしたみたいだね。

 C 初出場の明石商は左腕加田をはじめ、昨年からの主力が多く、戦力は充実している。

 F 同じ関西勢なら、10年ぶりに出てくる近大付は左腕大石と4番高倉と、投打に柱がしっかりいる。

 D 中央学院は選抜で投打の要だった大谷が負傷明けで本調子ではなかった。復調具合が気になる。

 A 連続出場校や選抜経験校が目立つね。

 F 作新学院は8年連続出場。3年生は98回大会の全国制覇を見ているし、甲子園の雰囲気も熟知しているだろうね。

 E 3季連続出場の下関国際はエース鶴田や浜松、甲山の二遊間が頼もしい。

 B 3年連続の前橋育英は今年も投手がいい。エース恩田の存在感が光る。

 E 山梨学院も3年連続。ここも、エース垣越に注目だね。

 C 近江は選抜と同じように、林、金城らの継投が鍵を握りそう。

 B 日大三の強力打線は、春よりも粘りが出てきているように見える。

 A 選抜8強の花巻東も試合運びのうまさは健在。菊池雄星や大谷翔平のようなスターはいなくても、甲子園で勝てるイメージがあるよね。

 E 他の東北勢はどう?

 F 八戸学院光星はチーム打率4割1分、9本塁打。打力が際立つね。

 D 仙台育英も侮れない。今冬に須江監督が就任。バッテリーごと代える緻密(ちみつ)な継投にも注目だ。

「旋風」期待は金足農・済美・折尾愛真…

 E 金足農の吉田だって最速150キロで生きがいい。43回で57三振を奪っている。ただ、投手は1人。連投がきくかどうか。

 C エースが1人で頑張っているチームが結構ある。済美の山口直はスライダーを器用に操り、四球も少ない力投型。高知商の北代も明徳義塾に最後まで的を絞らせなかった。

 A 高知商は打撃も積極的だよね。打力では天理と互角に打ち合った奈良大付も目についた。特に上位打線はいい振りをしていた。

 F 高岡商は1点を守る野球から脱却したようだ。先発6人が打率4割超え。どこからでも長打が出る。

 B 「2死から1本出るチームに」を掲げる佐久長聖も鍛えられた打線だ。

 E 九州で打撃なら折尾愛真かな。10本塁打と要所で一発が出た。6本を野元が打っている。接戦に強かった沖学園も1、2番で17打点と攻撃型といえる。

 C 緩急のきいた投球をみせる2年生左腕木下を中心に、敦賀気比は投打ともうまく仕上がっている。

 A 北照も投打のバランスのとれた好チーム。左横手の原田は特徴のあるフォームで、はまれば面白い。

 F 大垣日大は、走者が出たらきっちりバントという野球だ。パワーこそないけれど、反対方向を意識した堅実な打撃をみせる。

 D 6試合で24犠打という鹿児島実も手堅いところがある。長打力不足を補ってしっかりつなぐね。

 B 二松学舎大付は足が速い選手がそろって嫌な打線だと思う。打てなくても突破口を開ける。

 E 羽黒は準決勝、決勝で延長サヨナラ勝ちと粘り強かった。佐藤の140キロ台の直球はいいよ。

パンチ力の益田東・「日本一の下克上」白山

…勢いに注目のチームたくさん

 A その他にも勢いのあるチームが多いね。

 D 愛産大三河の打者陣は、ミート力が高い。東愛知大会6試合ではわずか8三振だった。

 E 打力なら日南学園も頼もしい。振りが鋭く、宮崎大会決勝では両校計31安打の打撃戦を制した。

 C 丸亀城西は1番打者の水野の出塁が鍵になりそう。広角に長打が打てる。

 F パンチ力のある打撃が売りの益田東も楽しみだよ。稲林、安田は島根大会で2本塁打ずつを放った。

 B 中越の4番小鷹も勝負強い。新潟大会では3本塁打。決勝では内角球を巧みに右翼席に運んだ。

 C 投手陣が面白いのは旭川大かな。4投手がいずれも最速140キロ超だ。

 E 佐賀商の右腕木村も145キロの速球が魅力的。威力は十分だよ。

 A 東海大星翔は左腕山下。速球派ではないけど、5種類の変化球を操る。

 F 藤蔭の右腕市川は、直球、チェンジアップを軸に粘りの投球が真骨頂だ。

 B 鳥取城北の難波はフォークが良いよ。多くの三振が奪えるタイプだ。

 C 1、2年生が多い鳴門は徳島大会の4試合中3試合が2点差以内。接戦に強いのは大きな強みだね。

 F 初出場の白山は1979年の三重大会8強が最高だったけど、「日本一の下克上」を掲げてノーシードから駆け上がってきたね。

高校野球の担当記者

東 京  坂名信行

     吉永岳央

大 阪  山口史朗

     小俣勇貴

西 部  隈部康弘

編集委員 安藤嘉浩