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 国立大学は全盲や車いすの障害者に危険な場所が少なくない――。総務省近畿管区行政評価局が、障害者と一緒に近畿周辺の国立大7校を訪ねて調べたところ、そんな現状がわかり、同局は各校に改善を求めた。

 日本学生支援機構の実態調査によると、障害のある学生が在籍する大学は2016年度、全体の86%に当たる667校。学生数は約2万5千人で、12年度より約1万4千人増えた。近畿行政評価局は障害者差別解消法の全面施行から1年がたった17年5~11月、全盲や車いす利用の障害者と福井、滋賀、京都、大阪、神戸、奈良女子、和歌山の7大学を訪ねた。

 その結果、全盲の人は①多目的トイレの「便器洗浄」と「呼び出し」ボタンが区別できない②壁に設置されたモニターの角に頭をぶつける危険がある③階段の上に点字ブロックがなく転落の危険がある、といった点を指摘。さらに多目的トイレは広くて設備の位置を把握するのが難しく使いにくいが、点字ブロックをたどると自動的に誘導されてしまう、とも。

 一方、車いす利用者は①エレベーター内の鏡の位置が高く床が見えない②タイル敷きの屋外スロープが滑りやすい③引き戸が重く教室に入れない、といった問題点を指摘した。こうした声を受けて、一部の大学はすでに改善したという。

 また、近畿地方の大学に通う障害のある学生に意見を聞いたところ、「入試では配慮するが入学後は対応できないと言われた」「障害者が福祉を学ぶ意図がわからないと言われた」など、入試時の差別的な対応を訴える声が多く集まった。

 

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(増谷文生)