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 2016年4月の熊本地震で倒壊家屋からの救助状況を調べた調査結果がまとめられ、全国の警察で活用が進んでいる。調査には、岐阜大学の准教授らが分析に携わった。地震でわかった救助の実態や課題、有効な救助方法などを訓練に反映し、今後、大規模な地震が発生した際に生かすための試みだ。

 警察庁に協力してデータをまとめ、分析したのは、岐阜大学流域圏科学研究センターの小山真紀准教授や、千葉工業大学創造工学部の吉村晶子教授ら。

 小山准教授によると、熊本地震以前は、被災直後、倒壊した建物に人がどのように閉じ込められ、救助にあたった人たちが、いかに助け出したかを詳細に調査した例は、ほとんどなかったという。

 調査チームは熊本地震直後、救助にあたった熊本県警などにアンケートを実施。計39カ所の現場の状況や実施された救助方法などをまとめた。

 被災直後、天井とベッドとの間に人が挟まれた現場では、天井の梁(はり)を安定化させた後にベッドの脚を切り落とし、ベッドの位置を下げて救助した。限られた時間の中で一刻も早く要救助者を特定するため、近隣住民に行方不明者や倒壊家屋の住人の家族構成などを聞いた。調査では、現場で実践された救助方法や捜索に有効な手段がいくつも明らかになった。

 得られたデータは警察庁で活用されている。警察庁はデータを元に倒壊現場を再現した訓練ユニットを改良。実際の倒壊家屋に近い形で訓練できるようにした。

 岐阜県内でも2017年、地震の倒壊家屋からの救助を再現する訓練があった。訓練メニューや再現された現場には、調査チームの研究成果が反映された。

 熊本地震は、前震の数日後に本震があったため、本震の際、警戒中の警察官らが素早く倒壊現場に駆けつけることができた。小山准教授は「熊本地震とほかの地震では、状況が違う部分もある。今後、大きな地震が起こった場合には、救助状況の調査を重ねていきたい」と話している。

 

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(吉川真布)