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 戦場での体験や軍隊生活を原因として、心に傷を負った多くの日本兵がいた。しかし、そうした人たちは、この社会に存在しないかのように扱われてきた。戦中も戦後も。残された記録や証言をもとに、戦争によるトラウマをいま考える意味とは。

 山形市で診療所を営む精神科医の五十嵐善雄さん(65)は、ある患者との出会いが忘れられない。

 開業したばかりの2008年。83歳の男性が慢性の統合失調症とある紹介状を手に訪ねてきた。月に1回、10分ほどの診察が始まった。男性は一切笑顔を見せない。「叫び声が聞こえる」という話には、慢性患者とは思えない「生々しい響き」があった。

 4年が過ぎたある日。男性は付添人に席を外すように頼んだ。そして、とつとつと話し始めた。

 「上官の命令だった」

 「殺してしまった」

 「子どもの泣き叫ぶ声が耳に残っている」

 およそ70年後の「告白」。顔は青ざめていた。

 学徒出陣で、旧満州へ。戦後4…

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