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時紀行

 香川県・小豆島には1日におよそ2回、それぞれ6時間しか渡れない道がある。潮の満ち引きでできたり消えたりするこの場所は「エンジェルロード」と名付けられ、いまでは多くの恋人が集う。だが、昔は潮干狩りの場所だった。このような人気スポットになった背景とは――。

 瀬戸内海をのぞむ香川県・小豆島の浜辺。その一角には数々の絵馬がかかっていた。「仲良く過ごせますように」「ずっとお互いを思って幸せでいられますように」――。願いを込め、手のひらほどの貝殻にも裏書きしてあった。

 水面(みなも)の200メートルほど先に浮かぶのは余島(よしま)だ。やがて潮が引き、島へ続く一筋の砂の道が現れた。台風一過の8月下旬、何組ものカップルが待ち望んだ道を踏みしめるかのように、渡っていった。

 「エンジェルロード」。地元では「天使の散歩道」とも呼ばれる。潮の満ち引きで陸が現れたり消えたりする「トンボロ現象」による自然のなせる業(わざ)だ。フランスの世界遺産、モン・サン・ミッシェルを思わせる光景が訪れるのは、1日におよそ2回。それぞれ干潮時の「6時間」に道が浮かびあがる。「大切な人と手をつないで渡ると願いがかなう」とされ、恋人たちが集う巡礼地になった。

 岐阜県高山市から来た山腰京平さん(28)と片町桃子さん(30)は来春、結婚を予定する。「ずっと仲良くって、願いました。明るい家庭を築きたいです」。片町さんはそう言ってはにかんだ。結婚記念日で訪れる夫婦などもいる。

 エンジェルロードは、どのようにして恋人たちが集う場へとなったのだろうか。

     ◇

 「ここまで化けるとは思っていなかった」。朝焼けに浮かび上がるエンジェルロードのポスターがかかる小豆島・土庄(とのしょう)町役場の会議室。地元観光協会の副会長、藤本徹さん(67)は感慨深げだ。

 いまでこそ年間25万人超が訪…

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