「赤信号みんなで渡れば…」ヤマト、常態化した過大請求

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栗林史子 北見英城 石山英明
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 ヤマトホールディングス(HD)の子会社による法人向け引っ越し料金の過大請求を調べていた調査委員会が、一部で組織ぐるみの不正もあったと認定した。ヤマトHDで昨年発覚した残業代の未払いに続く不祥事で、順法意識の希薄さが再びあらわになった。ヤマトは出直しを誓うが、信頼回復への道のりは険しい。

 「大変恥ずべき事態だ。倫理意識の欠如があったのは間違いない。ヤマトグループ全体で倫理意識を再度引き上げていかないといけない」。31日に記者会見したヤマトHDの山内雅喜社長は厳しい表情で語った。

 調査委員会の報告によると、過大請求は2010年ごろに始まった。現行の法人向け引っ越しサービスが始まって2年ほどたってからで、そこから徐々に全国に不正が広がったという。

 子会社のヤマトホームコンビニエンス(YHC)が提供するサービスは、家財算出表を使って家財ごとにポイントを積算して見積額を出し、実際に運んだ量に応じて料金を修正して請求する仕組みだ。報告書はこのサービスを「運用が非常に煩雑で困難」で「現場では見積もりの修正を行う具体的場面がわからないなどの問題が発生」していたと指摘。調査委の委員長の河合健司弁護士は「根本的な問題は商品設計にある。2年ぐらいで社員の教育もなくなり、あるべき姿が守られなくなった」と話した。

 もっとも、社内の「倫理意識の欠如」も大きい。

 「支店の収支改善や、注文が…

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