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 介護人材不足の本格化を受け、横浜市は介護福祉士をめざすベトナム人留学生らを受け入れ、市内の高齢者施設での就労を促す新たな制度を始める。ベトナムの2市1省と覚書を結び、留学生の学費や住宅確保などを支援。ベトナム側は学生の送り出しに協力する。

 林文子市長が31日の記者会見で発表した。市では2015年から25年にかけ、医療や介護のニーズが高まる75歳以上の高齢者が17万4千人増えると推計。介護人材が約8500人不足すると見込まれ、その確保が急務となっている。

 課題を踏まえ、市は7月下旬、ベトナムを訪問。ホーチミン、ダナン両市とフエ省とともに、それら2市1省にある医療系大学など5校とそれぞれ介護分野に関する覚書を締結した。

 覚書に基づいて、基本的な日本語が理解できる「N4レベル」の留学生を対象に、来日後に日本語学校に1年間通学してもらい、学費は70万円を上限に横浜市と受け入れ先の高齢者施設が半額ずつ負担する。

 その後に2年間通う専門学校の学費は、約8割に当たる160万円に神奈川県の奨学金を使える。市内の大規模団地の賃貸住宅を借り上げ、3万円を上限に家賃の半額を補助。修学中は、受け入れ先の高齢者施設で週28時間、アルバイトとして働く。

 3年間の修学後、食事や入浴、トイレの介助などを担う介護福祉士の国家資格を取得できれば、平均年収330万円ほどの正規職員として週40時間勤務。5年間働けば、奨学金の返済が免除される。

 今年度は市内7カ所の特別養護老人ホームや介護老人保健施設が受け入れ先になり、約9カ月間実習するインターンシップ生と合わせて20人ほどが来日する見通しだ。

 政府が昨年11月、介護職種も外国人技能実習制度の対象に追加したことを受け、市は今後、介護福祉士をめざす技能実習生の受け入れにも力を入れる方針。留学生やインターンシップ生と同様、国際交流協会を相談窓口とした生活支援や、借り上げ住宅の家賃補助を受けられる。

 林市長は「(覚書の締結が)早く実現できたことに手応えを感じている。先駆的に取り組んで、一つのモデルとして成功させたい」と力を込める。今後、中国やインドネシア、フィリピンとも同様の連携を検討するという。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/武井宏之