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 日本野球機構(NPB)への復帰がかなわなかった独立リーグ・BC栃木の村田修一内野手(37)は、1日の会見で「来年ユニホームを着てどこかでプレーすることは考えにくい」と語った。引退は明言せず、今季の最終戦まで栃木で全力プレーすることを誓った。涙をぐっとこらえる姿に、ユニホームを着ている間は「引退」の2文字は使わないという意地を感じた。

 横浜(現DeNA)と巨人での在籍15年間で、通算1865安打。2度の本塁打王に輝き、昨季も巨人で4番打者を担った。BCリーグでも現在、打率3割5分2厘、9本塁打の成績を残し、「1軍で野球ができる状態」と衰えを感じさせていない。

 だが、現実は厳しかった。NPB全体が若返りを推し進める時期と重なったことが不運だった。若手が育ってセ・リーグ2連覇を果たした広島に象徴されるように、各球団は実績よりも若手の育成に方針転換。ある球団関係者は「村田を獲得すれば、ある程度の活躍をしてくれるだろうが、将来を見据えると必要がない」と言った。

 強面(こわもて)で武骨な印象を受けがちだが、どんなに不振の状態でも試合後には立ち止まって丁寧に取材に応じた。昨季、現役選手最多で節目の150死球を受けた時は、「俺の勲章だよ」と豪快に笑った。

 変わりゆく時代の波には逆らえなかったが、9月9日の最終戦まで「応援してくれるファンのために。小学3年からやってきた野球の集大成をお見せしたい」と語った。打席で腰を引かなかったように、どんな逆境に立たされても逃げ出さない。「男・村田」を最後まで貫いて、バットを置く。(山口裕起)

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