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 大学入学共通テストで導入される、英語民間試験の成績活用の基本方針を約半数の国立大が決められずにいる。目的が異なる複数の試験を比較することの公平性などについて、学内で議論が続いているケースが多い。しばらく公表できないとする大学も多く、受験生への影響を心配する声もあがる。

 「他大学の状況を見ながら検討しているが、方針を決めるのは9月ごろになりそうだ」(千葉大)

 英語の民間試験導入は、大学入試改革の目玉の一つ。日本の高校生は「読む」「聞く」と比べて「話す」「書く」が苦手とされる。社会のグローバル化に伴って英語力の重要性が増すなか、文部科学省などは4技能を大学入試で測ることによるレベルアップに期待する。

 だが、申請を受けて導入が決まった8種の民間試験は目的や実施状況が異なる。大学入試センターは、成績を国際標準規格「CEFR(セファール)」の6段階のレベルに当てはめて比べる予定だが、公平な比較ができるかを疑問視する声は根強い。また、試験によっては受験料が2万5千円以上かかったり、全都道府県で実施されなかったりする。このため経済的・地域的な格差も懸念されている。

 そんななか、多くの国立大の決定に影響を与えているのが東京大の動向だ。民間試験の活用方法を検討するために設けられた同大の学内ワーキンググループ(WG)は7月、公平性を疑問視し、「成績の提出を求めない」を最優先の案とする答申を公表。民間試験の活用を求める国立大学協会のガイドラインを否定するような内容で、各大学に衝撃が走った。

 東京芸術大の入試担当者は「民間試験を活用する方向で7月に公表することも考えていた。だが、答申を見た教員から反対意見が強く出て、議論が振り出しに戻った」と語る。東京大との併願者が多い東京医科歯科大の担当者は「大きく影響するので、東大の発表を見ながら考えたい」とする。東京大も当初は7月の公表を目指していたが、9月になる見込みだ。

 民間試験の活用を決めた大学でも「公平性を疑問視する意見もあり、具体的な方法は決まっていない」(三重大)といった声が多い。山極寿一総長が国大協会長も務める京都大の担当者は「何らかの形で活用したいが、非常にデリケートな問題で、活用法を慎重に検討している」と話す。

 熊本大は他大学の動きを見ながら検討していたが、地元の高校などから「早く決めて欲しい」という要望を受けて7月30日、「出願資格と加点を組み合わせる」と公表した。担当者は「独自路線でいくと決めた」と説明する。

 各大学が方針を決めかねる状況について、駿台教育研究所の石原賢一部長は「公平性などに問題があるため、他大学の様子を見たり、東大の決定を待ったりする気持ちはわかる」と話す。だが同時に「しわ寄せは受験生に来る。早く決めてほしい」と注文をする。

■影響小さくする…

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