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 チンパンジーの集団で地位が最も高いオスは、メスと一緒に過ごす時に強いストレスを感じていることを、総合研究大学院大(本部・神奈川県葉山町)などのチームが見つけた。メスを奪われないよう、目下のオスを抑えるためらしい。論文を米専門誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジカル・アンスロポロジー」に発表する。

 沓掛展之講師(動物行動学)らは、熊本県にある京都大の施設で飼育されているオスのチンパンジー4匹で実験。オスだけで過ごした4日間と、隣り合うオリにメスがいる状態だった6日間でストレスがどう変化したのかを、唾液(だえき)に含まれる「コルチゾール」というホルモンの量で測定した。ホルモンが増えるとストレスが大きいと判断した。

 4匹で地位が最も高いオスの唾液1ミリリットルに含まれる量は、メスがいない時は平均1・6ナノグラム(ナノは10億分の1)だったが、メスと一緒だと同2・2ナノグラムに増えた。ほかの3匹は、どちらの場合も0・7~1・5ナノグラム程度で、ほとんど変化しなかった。

 チンパンジーは、最上位のオスが交尾相手を独占するため、下位のオスを攻撃する。メスがいると競争が生まれ、最上位のオスにとってはストレスの要因になるらしい。沓掛さんは「競争状態で、立場が上の者に下より負担がかかるのは、人間でもみられる現象ではないか」と話す。(小宮山亮磨)