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 会長にまで出世した敏腕サラリーマンの力で、出荷できなくなった日本酒を有効活用し、被災地の力に――。国内外で人気がある山口県の日本酒「獺祭(だっさい)」が、人気漫画「島耕作」シリーズをラベルに描いた「獺祭 島耕作」を10日から販売する。7月の西日本豪雨の影響で通常通りに販売できなくなった酒を安く提供し、売り上げの一部を被災地に寄付するという。

 「島耕作」シリーズの作者で山口県出身の弘兼憲史さんと、獺祭の蔵元・旭酒造(同県岩国市)の桜井博志会長、桜井一宏社長が2日、東京都内で記者会見を開いて発表した。旭酒造では豪雨のため「本社蔵」の前を流れる川が氾濫(はんらん)。機械や原料米が泥水につかった。また停電も3日間に及び、獺祭が売りにしている仕込み時の0・1度単位での細かなタンクの温度管理ができなくなった。このため当時発酵タンクにあった約50万リットルの酒が出荷できなくなったという。

 桜井会長は「一般的な純米大吟醸の味には達していると思うが、『獺祭』としては出せない。廃棄するしかなかったところを、良い形で世の中に送り出せる」と喜んだ。試飲した弘兼さんは「僕からしたら、普段飲んでいる獺祭と変わらずおいしい。島耕作を使ってもらえるのもうれしいです」と話した。

 「獺祭 島耕作」は4合瓶で1本1200円(税別)。よく知られている「獺祭 純米大吟醸50」より250円ほど安い。65万本を出荷する予定で、獺祭の取扱店で入手可能。1本につき200円が被災地へ寄付される。弘兼さんが連載中の「会長 島耕作」に「獺祭」をもじった日本酒「喝采」が登場した際に取材したのが縁で弘兼さんが声をかけ、企画が実現したという。(加藤勇介)