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 アフリカ南部ジンバブエで実施された大統領選と下院選で、現地の選挙管理委員会は3日未明、大統領選で現職のムナンガグワ大統領(75)が当選したと発表した。一方、野党側は集計の不正を主張して結果を受け入れない構えを見せている。1日にあった野党支持者による抗議デモの死者は6人に増え、デモの拡大も懸念されている。

 今回の選挙は、独立後37年にわたり権力を掌握し、昨年11月に軍による事実上のクーデターで辞任に追い込まれたムガベ前大統領(94)が立候補しない初の国政選挙だった。

 ムガベ氏は先月29日の会見で、「与党には投票しない」と明言。野党を支援する姿勢を見せたが、与党側の勝利で影響力が一層低下するのは避けられそうにない。

 大統領選は事実上の一騎打ちとなり、選管の発表によると、ムナンガグワ氏が全国10州のうち6州で勝利。得票率は50・8%で、当選に必要な過半数を獲得した。一方、野党候補のチャミサ氏(40)は首都ハラレなどで勝利したものの、44・3%にとどまった。下院選は210議席中、与党が144議席を獲得した。

 チャミサ氏は2日夕に会見を開き、票が不正に集計されたとして「国民の意思を反映しない結果は受け入れない」と述べた。

 発表が未明だったこともあり、ハラレ中心部は平穏を保っている。警察は抗議デモに関与したとされる野党関係者を逮捕するなど、警戒を続けている。

 ムナンガグワ氏は大統領に就任後、ムガベ氏を支持してきた与党内の勢力を一掃。ムガベ氏が敵対した欧米諸国との関係修復にも努め、変化を印象づけた。過去の選挙で相次いだ野党支持者への弾圧も目立たず、各国の選挙監視団も一定の評価をしていた。

 一方、初の政権交代を目指したチャミサ氏は、2月に前党首のツァンギライ氏が亡くなった後に党首に就任。若さや演説のうまさから失業者の多い都市部の若者を中心に支持を集めたが、党内で派閥争いが起きた上、政権運営能力や与党寄りの軍との関係が不安視されていた。(ハラレ=石原孝