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 名古屋城に江戸時代から残る三つの「隅櫓(すみやぐら)」が、初めて同時に一般公開されている。公開には文化庁から許可を取るなどの事務作業が煩雑で、名古屋市はこれまで時期をずらしていた。名古屋城は5月から、木造化関連工事のために天守が入場禁止となり、市は新たな観光の目玉として期待している。公開は15日まで。

 名古屋市によると、三つの隅櫓は、戦災で焼失した天守や本丸御殿と同時期の1612~19年ごろに建てられた。食料や武器の備蓄、見張りを主な目的として置かれた。いずれも1930年に旧国宝に指定され、現在は国の重要文化財になっている。

 今回公開された西北、東南、西南の隅櫓は、それぞれ高さが13~16メートル。国宝の彦根城(滋賀県彦根市、高さ約16メートル)や犬山城(愛知県犬山市、高さ約19メートル)の天守に引けを取らない大きさだ。

 西北隅櫓は江戸時代から「清洲櫓」と呼ばれ、織田信長の居城だった清洲城の古材を転用した可能性があるという。三重櫓の3階建てで、江戸時代から残るものでは熊本城(熊本市)の宇土櫓に次ぐ規模だ。

 東南と西南の隅櫓は、それぞれ外観は二重櫓だが、内部が3階建てになっている珍しい形式。東南の瓦には尾張徳川家の「葵紋」が刻まれているが、西南は皇室の「菊紋」が見られる。戦前、城を管理していた宮内省(当時)が修理した名残という。

 名古屋城の入場料(500円)で隅櫓も見学でき、浴衣などの和装で来場すれば割引がある。中学生以下は無料。期間中の開園時間は午前9時~午後8時半(隅櫓の最終入館は午後5時45分)。(関謙次)