[PR]

医の手帳・脱水症(2)

 人の体の中に含まれる液体成分、すなわち体液は体重の50~60%を占めるほどたくさん存在します。発熱や気温の上昇に伴う発汗、あるいは嘔吐(おうと)、下痢などにより体液が失われ、水分が適切に補充されない場合に脱水症を生じます。

 脱水症の前ぶれとしてのどの渇きを感じます。高齢者では症状が出にくく、脱水症が進行して意識障害などの重篤な症状や生命の危険が生じることもあるため、脱水症状が出る前の適切な予防策が必要です。発熱や気温の上昇による発汗がみられる場合には、のどの渇きを感じる前に水分補給を行う必要があります。

 脱水による体重減少をおよそ1キロ以内にすることを目安に水分補給を行います。コーヒー、紅茶、緑茶などのカフェインを多く含むものやアルコール飲料は利尿作用があり、脱水を助長してしまう恐れがあります。番茶や麦茶などのカフェインが少ないものが好ましいです。夏場は冷房を使って室内の温度を28度以下に設定し、外出時には帽子や日傘で直射日光を防ぐことも必要です。

 頻繁に続く嘔吐、下痢により体液を大量に失った場合や、運動により大量に発汗した場合には、水分と共にナトリウムをはじめとするミネラル分も失っているので、水分と同時にミネラル分も摂取する必要があります。市販のスポーツドリンクは糖分が多く、ナトリウム、カリウムなどのミネラル分が少ないので、経口補水液を利用します。重湯に塩をまぶす、あるいは梅干しを加えるのも有効です。

 ただし倦怠(けんたい)感、脱力感などの自覚症状が改善しない場合には、速やかに医療機関を受診し、適切な治療を受けてください。高齢者はもともと体液量が若い人に比べて減少しており、水分摂取の不足から食欲不振になるなど、脱水症を引き起こしやすくなっているので注意が必要です。

 

<アピタル:医の手帳>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/techou/(新潟大学大学院医歯学総合研究科・金子佳賢講師〈腎・膠原病内科学〉)