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西日本豪雨1カ月

 《松岡崇さん(81)、幸子さん(75)=広島県坂町小屋浦4丁目》 夫婦で川沿いの自宅で暮らしていた。7月6日夜に土石流で自宅ごと流された。約40年の付き合いがある近所の増本博子さん(70)によると、崇さんは自分でアイロンをかけ、夏でものりのかかった長袖シャツを着ているきちょうめんな性格。色白で、増本さんと肌の色を比べ、「オセロじゃ」と笑い合った。

各地に大きな爪痕を残した西日本豪雨では15府県で225人が死亡、11人がなお行方不明となっている。最初に大雨特別警報が出て6日で1カ月。犠牲になった人たちのありし日の姿を、遺族や知人らへの取材をもとにたどった。

 幸子さんは社交的で、豪雨の2週間前にも夫婦で増本さん宅に遊びに来た。幸子さんは完成させた外国の風景のパズルを額にいれ、プレゼントしてくれたという。3年ほど前に増本さんが夫を亡くして以来、「今日は何かものを言ったか?」「1人でおるんか?」と夫婦で気にかけてくれた。増本さんは「本当によくしてくれた。つらいとき、話しかけてくれて助かりました」と話した。

電話つながらず、土石流の犠牲に

 《西山タミコさん(77)=広島県坂町小屋浦4丁目》 夫の勝太郎さんと2人暮らし。自宅ごと土砂に流され、7月10日に自宅敷地内で土砂に埋もれて見つかった。長男の圭次郎さん(47)によると、プールに通ったり、地域の健康体操に参加したり、体を動かすことが好きな人だった。

 自宅近くを流れる天地川が荒れ始めたとき、勝太郎さんは川を挟んで50メートルほどの場所に住む圭次郎さんの様子を見に行った。一方、圭次郎さんは実家を心配して電話をかけ続けたがつながらず、避難所に向かった。川がさらに氾濫(はんらん)し、勝太郎さんが帰宅できずにいる間に自宅が土石流に襲われ、タミコさんが犠牲になったという。

高台に避難、それでも

 《政本朝子さん(88)、典子さん(62)=広島県坂町小屋浦4丁目》 朝子さんは長女の典子さんと同居していた。7月7日、自宅裏の一段高台になった空き家に避難したが、土石流に流された。