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 南米ベネズエラの首都カラカスで4日、マドゥロ大統領の演説中に会場上空で爆発があった。ベネズエラ政府は、ドローンを使って大統領を暗殺しようとした事件と発表。背景など不明な点は多いが、米紙ニューヨーク・タイムズは、ドローンで国家元首を暗殺しようとした初めての試みとみられると伝えた。

 同国政府によると、カラカスで4日午後5時40分(日本時間5日午前6時40分)ごろ、マドゥロ氏が国家警備隊の創立記念式典で演説していたところ、近づいてきた複数のドローンが爆発。マドゥロ氏にけがはなかったが、兵士7人が負傷した。ドローンには爆発物が積まれていたという。

 事件後、「Tシャツの兵士たち国民運動」を名乗る反政府勢力とみられるグループが、「プラスチック爆弾を搭載した2機のドローンで大統領を狙ったが、目標到着前に撃ち落とされた」と犯行声明を発表した。ただ、真偽は不明だ。

 式典は、ビルなどが立ち並ぶカラカス中心部の大通りで行われ、テレビ中継されていた。マドゥロ氏が壇上で演説しているさなかに爆発音がし、マドゥロ氏の妻がおびえた表情でかがみこんだ。隊列を組んでいた兵士たちも逃げ出し、中継が打ち切られた。

 事件後、マドゥロ氏は記者会見を開き、複数の容疑者を拘束したと発表。隣国コロンビアのサントス大統領の名を挙げ、「極右が私を暗殺しようとした」とも述べた。サントス氏は、野党を弾圧するなど独裁色を強めるマドゥロ氏を批判している。AFP通信によると、コロンビア外務省は「ばかげている」「まったく根拠がない」と関与を否定した。

 ベネズエラでは5月、有力な野党候補が事実上排除された中で大統領選が行われ、マドゥロ氏が再選。深刻な経済危機も続いており、国民の不満は高まっている。今回の事件について、政府は反体制派の関与を疑っているが、政権側が締め付けの口実とするための「自作自演」の可能性を指摘する声もある。(ワシントン=岡田玄)

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